中公文庫
木魂/毛小棒大―里見〓短篇選集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 392p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122054431
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

内容説明

里見〓(とん)の真骨頂は短篇にある。『里見〓(とん)伝』を執筆し、その作品を愛してやまない小谷野敦が選んだ、中間小説的な、色気と俗気の匂い立つ短篇選集。

著者等紹介

里見〓[サトミトン]
1888年(明治21)生まれ。本名・山内英夫。東京帝国大学英文科中退。二人の兄、有島武郎、生馬らとともに「白樺」創刊に参加、独自の中間小説的な、色気と俗気の匂い立つような作品を得意とした。1940年(昭和15)菊池寛賞、1956年と71年に読売文学賞を受賞。1947年(昭和22)日本芸術院会員、1959年(昭和34)文化勲章受章。1983年(昭和58)逝去

小谷野敦[コヤノトン]
1962年(昭和37)茨城県生まれ、埼玉県育ち。本名読みあつし。東京大学英文科卒。同大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了。学術博士。大阪大学言語文化部助教授、国際日本文化研究センター客員助教授などを経て、文筆業。『聖母のいない国』でサントリー学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

amanon

4
軽妙でありながらも、スッと読ませるだけでなく、何とも言えない味わい深さを感じさせるその文体が魅力的。小野谷敦による解説のタイトルが「色気の作家」とあるのが絶妙。ただ単に性的な描写が多いというだけでなく、文章そのものに、どこか香り立つような色気を感じさせるのだ。それは153センチという低身長でありながらも、ハンサムでモテたという作者自身が放っていたであろうフェロモンのようなものが注入されているというべきか。個人的にはやや複雑な構造を持つ「文学」がとりわけ心に刺さったか。文学に憧れた者あるある感が何とも…2023/05/19

青芝

3
里見とん大好き。もっと本探したいんだけど、なかなか書店ではお目にかかれず、やっとこちらを見つけることが出来たんで嬉々として購入。初里見が『君と私と』だったもんで、里見とんの私小説っぽい作品読むと誰だ誰だ?って想像するのが楽しい。てかほんと志賀大好きだなぁ。解説よかった。とりあえず、全集ほしい…。2013/04/21

ひろゆき

2
通俗感。依頼のページ数と締め切り日が先にあり…という感じで、短編にもかかわらず、なんとなく物語が揺らぐ。小説誌が娯楽の一つの中心だった時代を感じる。会話はとても生き生きとしていて凡庸な感じはしない。2016/01/07

eazy

2
作者は有島武郎の弟。小津安二郎「秋日和」の原作者。 12編の短編が収録されているが、どれもおもしろかった。 最後に収まっている「小坪の漁師」という掌編は、なんと最晩年の92歳の作。飄々としてるが俗っぽくもあり、人情ぽいかと思わせるとけっこうドライ。巧みな文章や会話文のおもしろさ、私小説的な(自嘲的な)人間描写にワクワクとのめりこんでいくと、ポーンと突き放されてお話を取り上げられるような、そのへんのとらえどころのなさが絶妙で気持ちよくて、はっとさせられたりニヤニヤしたり。「ふところ子」がお気に入り!2011/06/16

味噌漬の味

1
小津安二郎が崇拝していたというだけあって、会話場面が楽しすぎました。小津映画ファンはきっと楽しめると思います。それだけでなく、不思議な感触のものもあり、通俗小説っぽいものもあり、深くジーンとくるものもあり。初・里見弴でしたが、他のものも全部読んでみたいと思いました。2012/05/09

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