内容説明
濃厚な女の「生」と「性」を、細やかな台詞や緻密な描写で描き続けた脚本家であり、短編小説の名手であった向田邦子。没してもなお色あせぬ魅力とは何か。彼女が遺した10本のテレビドラマ、小説を読んだ若者たちの感想、リメイク映画の成果、そして女優・桃井かおりの貴重な証言をもとに探る。
目次
第1部 “向田ドラマ”を読み解く(森繁久彌の演じた“父”たち―『森繁の重役読本』『だいこんの花』;寺内貫太郎はなぜ怒る?―『寺内貫太郎一家』;男たちが幻視する“聖家族”―『冬の運動会』『カンガルーの反乱』;後妻にとっての“先妻”の影―『せい子宙太郎』『家族熱』;四姉妹の“悲喜劇”―『阿修羅のごとく』 ほか)
第2部 向田邦子は新しい(“平成の若者”と読む「犬小屋」;「かわうそ」再考;松田優作との出会い―“団欒”への渇き;映画化の課題―『あ・うん』『阿修羅のごとく』について)
語り下ろし対談×桃井かおり―「女は、体で感じていて“やってしまう”」
著者等紹介
小林竜雄[コバヤシタツオ]
脚本家、文芸評論家。1952年(昭和27)、東京生まれ。早稲田大学卒業。78年、脚本『もっとしなやかに、もっとしたたかに』が第四回城戸賞準入賞を受賞し、翌年映画化される。主な映画作品に『もう頬づえはつかない』『天使を誘惑』などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。