内容説明
それは大戦の傷跡がまだ深く残る一九五〇年十二月、三百年以上続く由緒ある旧家、西郷家に届いた一通の手紙から始まった。便せんに書かれた“すべての事件の謎は我が解く”の一文。それが意味する「謎」とは―。本格推理の名手が“難攻不落のトリック”をひっさげて読者に挑む、新しいエンターテインメント意欲作。
著者等紹介
太田忠司[オオタタダシ]
1959年、愛知県生まれ。名古屋工業大学電気工学科卒。81年、大学在学中に投稿したショートショート「帰郷」が「星新一ショートショート・コンテスト」で優秀作に選ばれる。その後、会社勤めをしながら作品を執筆。90年、長篇ミステリ『僕の殺人』を上梓、専業作家となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
koma-inu
37
西郷家に届いた「全ての謎は我が解く」という手紙、予告したのは、超絶性格の名探偵。ワトスン役と共に西郷家を訪れ、そこからはクローズドサークル、密室殺人と、本格物として期待できる展開です。麻耶雄嵩が書きそうなドS探偵の解決編・・ラスト30ページは本書丸ごとを使った脱力系トリック。うん、一線は超えてます(^^;;バカミスですが、魅力的なキャラ、コンパクトにまとまった話、スケール感あるラストと、一読の価値ある作品です。続編あるとの事ですが、どんな内容なんだろう?2022/03/05
nonたん
30
な、なに?え〜!という終わり方…。や、やるなぁ…。普通のってか、古典なのかと思わされる導入、展開。所謂、ホームズテイストの探偵物と思いきや…。面白いぞ!一発物だと思ったら、続き書いた?え、どんな?気になる…。2011/01/07
たち
26
予想の斜め上を行くどころか、遥か彼方へ行ってしまったような話でした。あまりにも突拍子もない最後なので、そちらばかりが印象に残ってしまいましたが、途中までは、館もののミステリとして、多いに楽しめました。かなり好き嫌いの別れる本だと思います。2017/06/20
うい
15
なんだこれは…。事件が発生する前に事件を解決すると予告する探偵・摩神尊。これだけでもバカっぽいのですが、さらにバカな秘密が隠されてまして…。読後、「は?????」で脳内膨張。やってくれたぜ…。しかもこれの続編出しちゃってる辺りももうね、感心します。2014/02/28
BUBI
14
「バカミス」というジャンルを知らなかったのでネットで検索してみたらそこで紹介されていた作品です。バカミスとは「あり得ない!」「そんなバカな!」と思わず叫んでしまう作品のこと。うん、これ、期待を裏切らない♪こんな作品は後にも先にもこれっきりでしょう。最後まで読んで、また最初から読み返しました。伏線って言われても、まさかそんな…ひとつだけヒントを出しましょう。「同じものを見ているのにどうしてもこうも違った見方ができるのだろう」。今は読み返して、冒頭から、本当はどういうシーンなのか、想像しているところです。2018/03/03