内容説明
創業者は異能、二代目は凡能。だからこそ、二代目にしか語れないことがある―「打倒カップヌードル」を唱えた日清食品の二代目社長が、創業者にしてカップヌードルの発明者である、父・安藤百福との確執や、新製品の開発にはずみをつけるための社内改革、独自のマーケティング戦略などについて綴った、自伝的経営哲学書。
目次
第1章 創業者は普通の人間ではない
第2章 創業者とうまく付き合う方法
第3章 ブランド・マネージャーの仁義なき闘い
第4章 勝つまでやめない新製品競争
第5章 ブランディング・コーポレーションへの道
第6章 「ラーメンロード」はローマに通ず
著者等紹介
安藤宏基[アンドウコウキ]
日清食品ホールディングス株式会社代表取締役CEO。1947年大阪生まれ。71年慶應義塾大学商学部卒業。72年米国日清入社、翌年日清食品入社。76年「焼きそばUFO」「どん兵衛きつね」を開発。85年代表取締役社長。90年「めん調査団」を結成、中央アジアからブータン、イタリアまで踏破。92年から「ラ王」「ごんぶと」「Spa王」を順次開発。97年カンヌ国際広告映画祭「ADVERTISER OF THE YEAR」受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nobu23
11
日清食品2代目社長が語る自伝的経営哲学書。父親との確執やマンネリ化した組織を打破して、新商品を生み出すための戦略など面白い。製品ブランド毎にマネージャーを建てて競争させる戦略など、昔何気なく食べていた食品の裏では色々と考えられていた事に驚いた。2019/12/14
西澤 隆
9
圧倒的な伝説を持つ創業者はそれだけで貴重な「広告塔」。大きく日清食品を伸ばした二代目の仕事の中で「うるさいジジィ」をなだめすかしすることは大変なことだったと思うのだけれど、それを「変人だけど偉人」なエピソードの範囲として語るのは、やはり「日清食品=安藤百福」という本田宗一郎を擁するHONDAや松下幸之助を擁するパナとおなじく「創業者はブランドイメージの大事な要素」をきちんと自覚しているマーケターとしての厳しさを感じる。マーケティング技法など技術的な話しもけっこうありますが、退屈させず「読ませる」本でした。2019/02/08
lop
6
積読残り280冊。 日清創業者の息子が、息子から見た創業者の仕事と自分がトップになってから行った仕事を書いてます。 企業理念もわかりますが、それよりラ王、U.F.Oなどが生まれた経緯が書かれているので、身近に感じます。2017/09/24
Qucchi
5
なかなか面白かった。前半は創業者の父との渡り合い方が書かれていて、その様子が昔働いていたベンチャー企業の創業社長とタブって凄く懐かしくなった(当時の気持ちを思い出せたのも大きい)。後半は新ブランドの立ち上げ時の試行錯誤と、会社全体で継続的に新ブランドを立ち上げ続けるための組織・体制作りの話が書かれていて、参考になる部分が多々あった。健全な社内競争の激しさが企業競争力になっているんだなと感じた。2022/02/05
むとうさん
5
カップヌードル開発秘話は「プロジェクトX」でも大人気だったけれど、その後の日清を支えたのは何か?というお話。もちろんカップヌードルは偉大な発明、主力商品だけれど、それだけではダメだと。読んだ限りでは創業者はあくまで「一発屋」で、「創業者は天才」というのと少し違う印象だった。そういう意味でも2代目の苦労とセンスが伝わってくる。業界内の競争、会社内の競争をどう行うかが鍵だということ。日本人は競争嫌い、という話もあったけれど、そうも言ってられない。全体的に食品業の特殊性をどう使うか、が裏テーマだった印象。2012/10/27