中公文庫<br> 味な旅 舌の旅 (改版)

中公文庫
味な旅 舌の旅 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 239p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122053915
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C1195

内容説明

北海道小樽の浜鍋に始まって、松島・庄内・会津と伝統の味を訪ね、水戸では烈女と酒を酌みかわす。京を抜けて山陰から薩摩へ百味を堪能するうちに、たどり着いた奄美で哀愁にみちた八月踊りに触れ―艶筆で知られる才人による、滋味あふれる味覚風土記。

目次

千石漁場・名残りの浜鍋
松島・雪の牡蛎船
庄内に探る密教の珍味
会津をめぐる伝統の酒肴
水戸・烈女と酒を汲む
山峡の宿場・恵那の川魚
知多沖・流人島の磯の味
さざなみの志賀の鴨鍋
わが舌感で斬る京料理
秋近き山陰の海幸・山幸
腹づつみ四国の奇漁
玄海の海賊の宴
薩摩半島・恐怖のヅクラ
南国の魔味と踊り・奄美

著者等紹介

宇能鴻一郎[ウノコウイチロウ]
1934年札幌市生まれ。本名・鵜野広澄。東京大学国文科卒業。34年、同人誌『半世界』に加わり、「食人と現代芸術」などを発表、36年「光の飢え」が芥川賞候補となる。つづいて37年「鯨神」で第46回芥川賞を受賞、以後、作家生活に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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こばまり

44
健啖ぶりに半ば呆れていたらそれもそのはず、作家は当時32歳。青年ではないか。しかし文章はすっかり老成しており川魚の魅力を伝える一文に郷愁を覚えた。山形を旅行中に女子大生と意気投合するという、宇能作品さながらのシチュエーションも。2017/01/03

天の川

24
平松洋子さんの「食べる私」から興味を持って。北から南へと、魚と地酒を堪能する旅。薀蓄の深さに感嘆しつつも、その鯨飲馬食ぶりにびっくり。老成された風情の文章、芸者を呼んでのお座敷遊びなどの世慣れた風情・・・で、32歳というフレーズに行き当たり、またまたビックリ。そして、その若さなら、鯨飲馬食も納得・・・と思った次第。そう思って読むと、若さのチャーミングさもそこここに。魚の脂と格闘する宇野さんは官能的というより体育会系力技でした♪2017/07/08

love_child_kyoto

1
これは文学作品。旅行、グルメ本としてもピカいち。2011/03/15

ルートビッチ先輩

0
東京大学国文科卒業という経歴は物語に入ってはいないが、文章から漂うインテリ臭さがあり、意識して書かれているようでもある。しかし舌の官能である味は究極、頭ではなく身体で感じるものであって、食味の描写はかなり即物的になされ、そして最終的には頭の反応は失われ、味に翻弄され、また酔いに前後不覚となる。この自己矛盾が面白い。2015/07/31

レフラー

0
官能的な食の描写にうっとりしていると、深い教養をしめす紀行文としての素晴らしさにハッとさせられる。 古事記から西欧の話まで自由自在に引き出す文章はさすがです。 粘膜接触ですよね。食事も。 大変良い読書でした。2023/01/09

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