内容説明
「養父に身体を触られるのが、嫌で嫌でたまりません。このままでは自殺するか、養父を殺してしまうかも―」深夜放送の人気DJのもとに届いたのは、「F女学院の少女A」という女子高生からのショッキングな手紙だった。家庭環境があてはまる生徒三名の養父は、物理教師、開業医、そして刑事。直後、そのうちのひとりが自宅で刺殺され…。
著者等紹介
今邑彩[イマムラアヤ]
1955年(昭和30)、長野県生まれ。都留文科大学英文科卒。会社勤務を経て、フリーに。1989(平成元)年鮎川哲也賞の前身である「鮎川哲也と13の謎」に応募し13番目の椅子を『卍の殺人』で受賞。以後、推理小説を中心にホラーなどを手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
241
今邑彩さんの11冊目の作品です。この題名で思い浮かぶのは中森明菜さんの有名な大ヒット曲なのですが調べましたら1982年のリリースで本書はその13年後の1995年の刊行ですので単なる私の早トチリで全く何の関係もありませんでしたね。「F女学院の少女A」という匿名でラジオの深夜放送の人気DJのもとに養父からの性的虐待を訴える手紙が届く。母が死んで養父のいる女生徒は3人いると判明するが、直後にその内の一人が刺殺される事件が起きる。条件に合う一人は刑事で彼は捜査に乗り出していく。本書はいつもの著者と違う感じでした。2023/11/29
りゅう☆
122
義父から性的虐待を受けてる娘が義父を殺したいほど憎んでるという手紙をラジオ番組に送った。それを読んだDJ可南は娘が在学中の高校教師の友人に調査を頼む。養女は3人。義父はその高校の教師、医師、警官。ある日、教師の義父が殺された。少女Aの手記と現実が交差する。少女Aは教師の娘?個人情報ダダ漏れや黒電話、ワープロ等に時代を感じた。今邑さんもあとがきに「行間から漂う昭和臭をタップリお楽しみください」だって笑。これで終わり?ってくらい推理力皆無の私でさえ早々と少女Aの正体が読めたので、サラッと読みたい時にいいかも?2020/09/16
あも
108
深夜ラジオの人気DJの元に届いた、義父に性的虐待を受けこのままでは殺してしまうかも…という投稿。DJの同級生が投稿者の通う高校の教師という縁で調べてみると該当する生徒が3人…。この中の誰かを探す話と思いきや、ちと予想と外れた方向に。それにしても今邑さんの文章のなんて読みやすいこと!ワープロ、公衆電話、FAXの自動送信…キーとなるアイテムが時代を感じさせるが、ブラウン管テレビを見ているような良い意味での古さがある。ストーリー展開の分かりやすさと真相の切なさも好感が持てる。今読んでも充分に楽しめる秀作だった。2019/03/14
ちーたん
106
★★★★☆サスペンス長編。新谷可南が務める深夜ラジオのリスナーから届いたお悩み相談。「養父から性的いたずらを受けていてこのままだと自殺するか殺してしまいそう…」"F女学院の少女A"と名乗る情報を頼りに目ぼしい生徒を探してみると3人の該当者が。そのうちの一人の生徒の父が放送後まもなく他殺体で見つかり…◆幕間に少女の独白が挟まれる構成。該当3世帯にそれぞれ後ろ暗い問題があり物語は進行していく。意外性はあまりなかったけど、逆転の発想が効いてるし、安定の読みやすさ✨帯の文句は【あなたは、見破ることができますか?】2020/05/23
H!deking
100
久しぶりの今邑さん。いやーこれこれ、って感じ。とにかく読みやすいし、安定の面白さですね。何を言ってもネタバレなんでこの辺で!2020/05/31