内容説明
二十世紀後半、経済的繁栄の一方で、資本主義と共産主義の対立、脱植民地化の苦闘、人口増加や環境破壊など、かつてない問題が生まれていた。冷戦の始まりから東西ドイツ統一まで、発展と停滞、成長と破壊、疾走する五十年を迫力の筆致で語る。
目次
1 戦後の経済繁栄―一九五〇~七三年
2 経済成長の政治―一九五五~七〇年
3 冷戦からデタント(緊張緩和)へ
4 冷戦と脱植民地化
5 東アジア・東欧・第三世界の経済
6 デタント(緊張緩和)
7 世界経済の構造変化―一九七三~八〇年
8 アジアの台頭
9 新自由主義とグローバル化の進展―一九八〇~九〇年
10 冷戦の終焉
著者等紹介
猪木武徳[イノキタケノリ]
1945年、滋賀県に生まれる。68年、京都大学経済学部卒業。74年、マサチューセッツ工科大学Ph.D.。大阪大学教授を経て、国際日本文化研究センター所長。専攻は労働経済学、経済思想、現代日本経済史
高橋進[タカハシススム]
1949年、宮城県に生まれる。72年、東京大学法学部卒業。同助手、助教授を経て、東京大学大学院法学政治学研究科教授。専攻は国際政治史。2010年3月、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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coolflat
12
69頁。多くのフランス国民は、1830年に植民地化され、コロンと呼ばれる移住者を支配者とするアルジェリアを他の植民地とは違うと考えており、独立は消極的であった。日増しにFLNを中心とするテロ活動が激化し、それに対応してフランス軍の鎮圧活動も凄惨を極めていた。さらにアルジェリアの現地フランス人も軍を中心に本国政府に抵抗する姿勢を示し、58年5月には実権を掌握するに至った。フランスは内戦の危機に直面した。この危機を収束すべく乗り出したのが、ドゴールであった。58年6月ドゴールは12年ぶりに政権に復帰した。2017/12/12
Mzo
10
戦後、1950年頃から1990年のドイツ統合まで。最後の方は、激変する世界をニュースで見ていたことを思い出しつつ読みました。ベルリンの壁崩壊はやはり1つの時代の終わりだったんだな、と四半世紀経過した今改めて思います。あの頃から世界地図もいろいろと変わりましたもんね。さて、本シリーズも後1冊。2015/12/08
KAZOO
9
いよいよこの全集もこの巻を含めてあと2冊となりました。やはり自分が過ごした時代となると人名や事件などがすんなり頭に入りほかの巻に比べると早く読めました。冷戦時代から最後はドイツの統一までをトピックに分けて時代を説明してくれます。2014/04/21
kapo54
1
タイトルに「経済」と入っているように経済面の内容が充実している。2019/10/25
tieckP(ティークP)
1
経済学者と政治学者による共著ということもあって、読み物というよりは実質を優先している。歴史の向こうの空間に読者をしばし導き、共感させてくれるような優れた歴史家の書き方ではなかったが、歴史を学ぶことを薦める理由として挙げられる「いまを知るためにも歴史から学ぶべきだ」という表現にはピッタリで、いまに直接関わる経済や政治の流れについてかなり的確に、現実主義的に、また時に筆者の慧眼を交えて語られている。アメリカの貿易は保護主義が基調で冷戦期の自由主義こそ例外だというのは、言われると納得する。2017/08/31