内容説明
暮らしの「根」をつくる―明治生まれの料理研究家が語る、素朴に食べること、生きること。
目次
私のこと暮らしのこと
母ゆずりの台所仕事
ご飯をおいしくめしあがれ
手づくりの味つけ
なつかしいおやつ
むだなし料理
心をこめたおそうざい
季節ごとの台所
北畔のこと
今の暮らし
著者等紹介
阿部なを[アベナオ]
1911年(明治44)、青森市生まれ。青森高等女学校を卒業後、人間国宝の堀柳女に師事し、人形作家となる。洋画家・阿部合成と結婚したがその後離婚。母親ゆずりの料理好きをいかして、59年、東京・上野にみちのく郷土料理の店「北畔」を開く。以来、おかみとして、また、料理研究家の草分け的存在としてNHK「きょうの料理」をはじめ、テレビ・雑誌などで活躍。96年(平成8)没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ネギっ子gen
26
明治生まれの料理研究家による台所のイロハ。NHK「きょうの料理」での、凛とした着物の割烹着姿が懐かしく。岸朝子氏の解説も「美味しゅうございました」。冒頭は<暮らしの「根」をつくる>。<暮らしの基本を忘れて久しいことです/「足りるを知る」なぞ死語となり、足りない、足りないと求め続けて、歯止めのない生活が、本当に人間生活を豊かにするのでしょうか…。不足なものを補おうとする心くばりのあるのが人間なのに、その心がなえてちぢこまって、物質に負けてしまいそう>と。確かに。今は、心が萎え縮こまって、コロナに負けそう。⇒2020/05/03
てくてく
5
明治生まれ、青森の漁師の家に生まれ、旧家に嫁ぎ、人形作家として活躍しつつ、料理好きをいかしてみちのく郷土料理の店を上野に開いた著者による食にまつわるエッセイ。食べるのは好きだけれども手間暇かけた料理を食べて育ったわけでもなければ自分もそんなに手間暇かけた料理を作っていない者にとっては、ただただすごいなぁと思って読了した。小さい三個のおにぎりの話がとても印象に残った。2024/09/06
kuukazoo
5
食べものや料理についてのこの人のこだわりは、時に煩く時に素直に頷ける。何でも便利になってしまうことの違和感はわかる。ものわかりのいいおばあちゃんになんてなりたくないんだろう。すぐ読み終えられるだろうと思ったら、なかなかどうして噛み応えのある文章で、もう少し心の余裕のある時にゆっくり向き合って読みたい本。2016/07/05
riviere(りびえーる)
5
NHK『きょうの料理』講師として活躍した著者は私の料理の指南役のひとり。戦争中の食糧難に「なにもないところから生み出すことの充実感」を味わった著者は”素食”を大切にします。なんでも食べ、大輪の菊をもらったときも「食べました」。飛行機の中で竹の皮に包んだ小さなおにぎりの包みを開いていたら隣の若い男性がじっとこちらを見ているので、相手のサンドイッチと交換したこともある。そのエピソードから、素食つまりシンプルな食べ方の魅力が伝わってきます。亡くなってはや18年。あとがきは岸朝子さん。2014/11/02
Nobuko
4
図書館本 こちらも耳が痛いけど役に立つ事柄たっぷり!保存版にしときたいから買おうかなl ってか気が付かずに借りたけど解説書いてたのは母だった(^_^;)2017/07/22