内容説明
私のノートであるこの本が諸君にもノートとして何等か役立ち得るならば仕合である。このような序で始まり、伝統や新しい知性を根本から考え、「天才」や「指導者」についても探求、さらに倫理や批評の精神を思索する。戦時下にあらゆる勢力から疎まれつつも、ヒューマニズムを追求した孤高の哲学者の叫びが時空を超えて甦る。
目次
新しき知性
伝統論
天才論
指導者論
道徳の理念
倫理と人間
時務の論理
批評の生理と病理
レトリックの精神
イデオロギーとパトロギー
歴史的意識と神話的意識
危機意識の哲学的解明
世界観構成の理論
著者等紹介
三木清[ミキキヨシ]
明治30(1897)年兵庫県生まれ。京都帝国大学で西田幾多郎、波多野精一、ハイデルベルク大学でリッケルト、マールブルク大学でハイデガーの教えを受ける。大正15(1926)年三高講師を経て、昭和2(1927)年法政大学教授。翌年、羽仁五郎と「新興科学の旗のもとに」を発刊、同年の「唯物史観と現代の意識」は社会主義と哲学の結合について知識人に大きな影響を与えた。昭和5(1930)年共産党に資金を提供した容疑で治安維持法違反で検挙、入獄中に教職を失い著作活動に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ダージリン
2
内容をしっかりと理解出来た自信は全く無いのだが、この人の骨太な知的スタンスは惹かれるものがある。指導者についてのところなど当時の世相を感じさせるところも多い。信念というか、ある種の迫力があり、読んでいて小気味良い感じも魅力である。2018/02/04
滅紫
2
実はねえ、手元にあるのはこんな新しく刷り直してある本じゃなくて、大昔の一冊です。持ってるのがバレると逮捕されるような時代の本だったのよ。
G.Brothers
1
三木清は哲学者だが人生論が有名な方だ。生き方も素晴らしかった。日本では有名な哲学者だが、世界的な知名度が何故ないか研究してみた。それは偉大な哲学者の注釈に没頭していた、もしくはそれが仕事だったんだろう。村上春樹とかも島国根性だしてほしいなあ、卑屈になんて無縁であってほしいなあ。2019/10/31
o
1
以外とうまく解釈できてて、所々で三木清になりきって読めた感じがした でも十分とは言えないし、わかったと思って鉛筆で書き込んだページの裏で全くそのまま否定されてて悲しくなった ロゴス、パトス 客体、主体 とかを整理してて頭の中に繊細なディテールがあったんだなって思う 指導者は実践するものとして戦略を持つ的なことを言ってたのに、解説には三木清は突っ走って運動に参加して純粋だったから失敗したみたいなことが書いてあってかわいい とにかく天才なんだけど先生という感じじゃない気がする2021/02/25
スミレ雲
1
実家帰省途中の東京駅で買った本。理解できたところとできないところの差が激しかった。なんども読み直したい。もっと三木さんの本を読みたくなった。2017/07/26