出版社内容情報
世界的名著よりも面白く、真に人間的な刺激と夢想をはぐくませてくれる革命的妖書。宇宙的に明らかに常識を超えた怪物対怪魚の大放談。〈解説〉宮田毬栄
内容説明
どんなユーモア小説よりもおかしく、どんな世界的名著よりもあなたの頭脳に真に人間的な刺激と夢想をはぐくませてくれる、まさしく革命的妖書。宇宙的に明らかに常識を超えた怪物対怪魚が、古今東西の文学や作家を滅多斬りにする大妄想放談。『さびしい文学者の時代』から四年半後のリターンマッチを初文庫化。
著者等紹介
埴谷雄高[ハニヤユタカ]
1909(明治42)年、台湾生まれ。1931(昭和6)年、共産党に入党。翌年に検挙され、翌々年、転向出獄。1945(昭和20)年、平野謙らと「近代文学」を創刊し、『死霊』を連載。1970(昭和45)年、『闇のなかの黒い馬』で谷崎潤一郎賞を受賞、『死霊』の執筆を再開、1976(昭和51)年、日本文学大賞を受賞。1997(平成9)年没
北杜夫[キタモリオ]
1927(昭和2)年、東京生まれ。父は斎藤茂吉。1952(昭和27)年、東北大学医学部卒業。神経科専攻。医博。1960(昭和35)年、『どくとるマンボウ航海記』が大ベストセラーとなりシリーズ化。同年『夜と霧の隅で』で第43回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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miyu
37
躁状態時の北杜夫が異常にハイテンションなのは知ってはいたが、まさか「あの」埴谷雄高を黙らせるほどだったとは畏れ入った。しかも埴谷せんせー、結構楽しそう。私は完全に埴谷目当てでこの古臭い本を手に取ったわけだが、ほとんど北氏の独壇場であった。それでも躁・北氏に華を持たせて聞き役に徹しつつ所々で美味しいところを持って行くあたり、やっぱり埴谷様素敵だわとニマニマ。医者でもある北氏が博学なのは認めるが、埴谷せんせーも負けちゃいない。でもちょっと物足らなかったので、次はぜひ雄高をメインに据えた対談集を読みたいものだ。2015/08/28
クリフトン
1
文人文士のお終いの書なのかも このような作家であることは現在では難しい みんな良い人常識人 世の中もそうあることを望んだのだろう 個性重視といいつつも…2021/03/02
アレカヤシ
0
躁になった北さんが前回の対談と違って明晰に次々言葉が出てきて、埴谷さんも優しさをもったまま、遠慮なく饒舌になる。ものすごい知識、情報量。埴谷さんがこの世からいなくなって、その膨大な記憶は何処へいってしまったんだろうと、不思議な気持ちになる。もう亡くなって20年になるんだ。好きな言葉、(あなた、今いいことを言いました) (接して漏らさず) (勤勉な馬鹿ほどはた迷惑なことはない) (とにかく一人で思想的な努力をすることが必要だ) (楽しみの果ては哀しみです) (ソクラテスの言うことは特高の誘導尋問に似ている)2017/02/02
工藤 杳
0
北→埴谷「うるさい!シャラップ。」など、躁病北の暴言が笑える。2017/01/29
双海(ふたみ)
0
中学か高校のころに読みました。