出版社内容情報
山海関を守る勇将・呉三桂は、李自成軍が明を倒し都を占拠したと知る。愛妾・円円も李自成の配下に連れ去られたと聞き、北から迫る清軍に関を明け渡す。裏切り者とされ歴史に名を残した武将と傾国の美女、二人の愛と明末の激動を描く歴史長篇。
内容説明
明の勇将・呉三桂は、李自成軍が都を占拠したと知り、清軍に山海関を明け渡し北京を奪還した。そこで待っていたのは、死んだはずの側室・円円。帝位への野心を胸に秘めた男と、恋心を瞳に宿した女は、二人の夢を抱いてともに歩みはじめた―売国奴と呼ばれた武将と傾国の美女の愛、そして激動の明末清初を描く歴史長篇。
著者等紹介
井上祐美子［イノウエユミコ］
姫路市生まれ。神戸大卒。『長安異神伝』『桃花源奇譚』などで人気を博した後、本格的な中国歴史小説に取り組み、『桃夭記』で吉川英治文学新人賞候補となる（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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アイゼナハ@灯れ松明の火
17
明朝が李自成の軍に滅ぼされた後、北の防ぎ山海関の守将呉三桂は、傾国の妓女陳円円を李自成の軍に奪われたことを恨み、関を開いて女真を呼び込み、もって清朝の始まりとなす…と巷間噂されてますが、本当にそうだったんだろうかね、という話。主題もさることながら、自分たちがどんなデタラメな世の中で生きてきたのかも忘れて、異民族を引き入れた呉三桂を罵る知識人階層の視野の狭さに辟易しそうになりました。君、君たらずとも臣は臣ってのは、平時の台詞だよねと改めて。2010/07/15
紫鈴
2
今回ドルゴンは脇役で、あっという間に退場。呉三桂の悩み抜いた人生譚になっているが、陰に円円がそっと寄り添う。淑やかな円円も好きだけど、断然、好みは柳如是姐さんです。八夫人も潔く、この作者の女性は儚くて並の男より豪胆さが良いです。☆５
00541381
1
なんとなれば男は～などと佐藤賢一であれば書きそうだな、なんて美女と梟雄を題材にしてますが著者の手にかかるとはたして手の平の上で踊っているのか踊らされているのか曖昧な感じが逆にリアル。2013/04/04
いちみ
1
「明」末期の英雄・呉三桂の物語。おなじ井上さんの『海東青 -摂政王ドルゴン』と合わせて読むといっそう楽しめる。2008/09/30
よっち
0
最大の裏切り将軍呉三桂と美女円円の歴史に秘された純愛を描いた物語。
