中公文庫<br> 絶海にあらず〈上〉

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中公文庫
絶海にあらず〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 464p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122050341
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

出版社内容情報

京都・勧学院別曹の主、純友。坂東への旅、将門・空也との出会い……そして、伊予への赴任。「藤原一族のはぐれ者」は己の生きる場所を海と定め、律令の世に牙を剥いた! 渾身の歴史長篇。

内容説明

京都・勧学院別曹の主、藤原純友。坂東への旅で若き日の平将門との邂逅を経て、伊予の地に赴任する。かの地で待っていたのは、藤原北家の私欲のために生活の手段を奪われ、海賊とされた海の民であった。「藤原一族のはぐれ者」は己の生きる場所を海と定め、律令の世に牙を剥く!渾身の歴史巨篇。

著者等紹介

北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947年、佐賀県唐津市に生まれる。73年、中央大学法学部を卒業。81年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、83年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、84年『檻』で日本冒険小説協会大賞、85年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。89年『武王の門』を発表し歴史小説にも進出、91年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、2004年に『楊家将』で吉川英治文学賞、06年には『水滸伝』で司馬遼太郎賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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眠る山猫屋

47
再読。平将門ではなくて藤原純友を描く辺りが北方先生らしい。やりたいことも無く欲も無く、無為に過ごしていた純友が、旅を経て少しづつ変わっていく。流されるように任官した伊予で出会った人々や、政の理不尽。抜群に頭が切れる訳でも腕が立つ訳でもない純友が生きたいように生きていくうちに、次第に都の藤原一族に刃向かうまで。〝海〟を舞台に、政治の隙間を突くように海賊を偽装し物流を生かして立ち向かう様は気持ちが良い。坂東は戦乱、都は権謀術数と大変だが、伊予から西の海はどこまでも爽やかだ、今のところは。2019/08/16

Haru

42
矢野さんの「平将門」を読んで、北方さんも同じ時代を書いていたじゃない!と再読。冒頭の洪水に見舞われる京の陰鬱な雰囲気から、あっという間に物語の中に。鬱々とした京から、潮風爽やかな伊予ヘ。感じたまま自由に行動する純友は藤原北家の血筋の良さ、勧学院で書物を好むインテリさと、豪放磊落さが相まって、みるみる内に水師をまとめあげる。「当たり前のことを当たり前にするために」、藤原北家の権威なんてくそ食らえと突き進む純友に悲壮感はないけれど、これから好古さんが絡んで、だんだんと追い詰められていくのかと思うと辛いなぁ。2016/03/13

はらぺこ

39
上巻なので大きい動きは特に無くて静。 北方作品は歴史モノだけ何冊か読んでますが、作者の風貌に見合わず主人公の口調はオラオラ系じゃなく優しい人が多い気がします。この藤原純友も今の所そうです。 下巻が楽しみです。 2011/06/14

フミ

19
平安時代の西暦930年代終わり頃、瀬戸内海で反乱を起こした「藤原純友」を主人公にした小説です。前に読んだ「楠木正成」同様、人物の目線と会話で、どういう経緯で伊予の国(愛媛県)に赴任し、人脈、船や兵力などの勢力基盤を育てて行ったかが、じっくりと描かれていく感じで楽しかったです。 主人公が冒険心、好奇心あふれる「藤原一族の変わり者」として登場するのですが、こういう「自分で道を切り開きたい人」には「何もしなくても旨い汁が吸える場所」というのは、許せないのでしょうね。上巻は下準備という感じで、先が楽しみです。2022/10/18

うまとら(仕事が多忙のため休止中)

14
爽やかな読み応え。純友の男っぷりが良い。当時、隆盛を極めた藤原北家の傍流として生まれながら、伊予で活躍する姿が生き生きと描かれている。筆者の小説につきものの山の民も出てきますが、今回は海の民の話です。海は誰のものでもない。良いですね。相変わらずの北方節です。2010/05/26

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