出版社内容情報
おばあさんのいなかで夏休みをすごす、さゆりと洋介の姉弟に父から届く手紙は、一日一つの小さな「お話」。魅力あふれる古今東西の物語が、新しい家族をつくりだす。カラーイラスト多数収録
内容説明
夏休み。いなかのおばあさんの家ですごす、さゆりと洋介の姉弟には、毎日父からの手紙が届く。そこには、一日一話の小さな「お話」が書かれているのだった。物語を通して生まれる、新しい家族の姿。
著者等紹介
井上ひさし[イノウエヒサシ]
1934年生まれ。上智大学仏語科卒。「ひょっこりひょうたん島」など放送作家として活躍後、戯曲・小説などの執筆活動に入る。小説では『手鎖心中』で直木賞、『吉里吉里人』で日本SF大賞および読売文学賞、『腹鼓記』『不忠臣蔵』で吉川英治文学賞、『東京セブンローズ』で菊池寛賞、戯曲では「道元の冒険」で岸田戯曲賞、「しみじみ日本乃木大将」「小林一茶」で紀伊國屋演劇賞および読売文学賞「シャンハイムーン」で谷崎潤一郎賞、「太鼓たたいて笛ふいて」で毎日芸術賞および鶴屋南北戯曲賞など、受賞多数
和田誠[ワダマコト]
1936年生まれ。多摩美術大学卒。77年から「週刊文春」の表紙を担当。挿画・装丁作品多数。デザイン・絵画の分野では文藝春秋漫画賞、講談社出版文化賞(ブックデザイン部門・さしえ部門)など受賞多数。さらに翻訳・映画監督・エッセイなど幅広い活動により菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
chimako
103
電車の中で少しずつ、家に帰って横になりながら、整体の待ち時間に……小さなお話が盛り沢山でどこでも楽しめた。小泉今日子書評集からの選書。母を亡くした姉弟と父の1日1話の交流。父親は子どもの本の出版社を営む。外国に本の売り込みに行く1ヶ月を父親の田舎で過ごす2人に毎日小さな話が届く。その中で感じる諸々。その田舎に図書館を作る計画。その時のおばあちゃんの言葉が秀逸。「読書は言葉を鍛える、鍛えられた言葉が今度は頭を鍛える、そしてその鍛えられた頭がものごとをよく考える」……よく考える頭はきっと人の痛みが分かる。2016/09/10
Kanae Nakajima
20
イソップ株式会社という小さな出版社を経営しているお父さんと、悪戯盛りの小4の弟洋介と暮らす中1のさゆりが主人公。夏休みの間、田舎のお祖母ちゃんの家で過ごす姉弟に、亡くなったお母さんと結婚する時に一日ひとつ必ず童話を作って聞いてもらう、という約束を今も一生懸命守るお父さんから届くお話を軸に進む少女の成長の物語。売れない童話作家の設定の為か、お父さんのお話は当たり外れがありますが、そんな時は周りの人々のエピソードがカバー。日々の出来事の淡々とした積み重ねで情景が鮮やかに浮かびます。2016/03/06
どあら
13
図書館で借りて読了。2016/11/02
さとむ
11
井上ひさし、といえば向田邦子と同様、新聞のコラムやエッセイによく出てくる作家。でも、これまで縁がなく、本作が初めて。心がほんわかするような、ちょっといい話を期待してたんだけど、感想はムムッ!? でもでも、縁があるのか、並行して読んでいる沢木耕太郎のエッセイ集に井上ひさしがひょっこり登場…。これには笑ってしまった。こうとなったら、もちろん他作品にもチャレンジだ。2014/08/15
マサ
10
読み終えた今、何だかとても幸せな気持ちになっている。毎日2,3話ほどを読んで、読了までに日数がかかったが、一話一話が味わい深かった。自分には「お話」が必要なんだなと思った。「第32のお話」は特に好きなお話です。全編にわたる和田誠さんの絵がうれしい。2018/12/09