中公文庫
明治人物閑話 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 343p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122049444
  • NDC分類 281
  • Cコード C1195

出版社内容情報

明治の人と時代を掘りおこす碩学の評伝集。漱石、鴎外や五代目菊五郎、団十郎、円朝ら個性輝く明治人の面影を、多くのエピソードをまじえて伝える。

内容説明

懐かしさと愛情をもって明治の人と時代を掘りおこした、碩学の評伝集。文学では森鴎外、夏目漱石、二葉亭四迷、石光真清。芸能では五代目尾上菊五郎、九代目市川団十郎、三遊亭円朝ら綺羅星のごとく輝いた明治人の面影を、多くのエピソードをまじえて伝える。

目次

森鴎外
石光真清と二葉亭四迷
夏目漱石
成島柳北
福地桜痴の平家琵琶
饗庭篁村の劇評
斎藤緑雨
陸羯南遺聞
田岡嶺雲
渋川玄耳
結城無二三
石井白露と上司小剣
奇人呉山堂玉成
団十郎と高助・訥升父子
五代目菊五郎と人力車
七世市川団蔵の芸談
名優尾上松助
三遊亭円頭
談洲楼燕技の天才
文筆家悟道軒円玉
二世市川左団次

著者等紹介

森銑三[モリセンゾウ]
明治2年(1895)愛知県刈谷に生まれる。大正4年刈谷図書館に入り、村上文庫目録を編纂。大正15年上野帝国図書館内文部省図書館講習所を卒業、東京帝国大学史料編纂所に勤める。昭和14年尾張徳川家蓬左文庫主任に転ずる。戦後は昭和25年から40年まで早稲田大学で書誌学を講ずる。昭和47年、近世学芸史研究の成果を纏めた『森銑三著作集』(全一二巻・別巻一)で第二三回読売文学賞受賞。昭和60年(1985)3月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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isao_key

5
著者は人物評を書かせたら、やはり味わいがありうまい。明治28年(1895)生まれの著者は、1985年89歳という高齢で亡くなられていた。内容は、夏目漱石、森鴎外といった大物から、現在ではほとんど聞かない斎藤緑雨、田岡嶺雲、渋川玄耳、結城無二三などについて、たんねんに資料を読んで書き述べる。文芸評論家、思想家の田岡嶺雲が「どんな学校でも優れた人物を出すのは、まだ設備が充分に整っていない1回から3回までの卒業生までで、設備が完備してくるとだめになってくる」という旨のことを言っているが、なるほどとうなずける。2012/12/19

テイネハイランド

4
明治期に活躍した文人・芸人の生涯/文筆活動などに関する短めのエッセイ集(評伝)。森鴎外の歴史物にも似た味わいがあるように思う。中でも、成島柳北の文章に触れた箇所(「成島柳北の人物」中の「転職の広告」「照り照り坊主」)は、成島の、得もいわれぬユーモアとすごみさえ感じさせる説得力のある文章を読むことができて、印象深い。 その成島の文章も、「新柳情譜」の引用箇所になると、当方の教養がなさすぎて、じゅうぶんに楽しめず、歯がゆい気持ちになった。2014/09/13

読書実践家

2
明治の文人は漢文調の文章が多い。司馬遼太郎が「若い人には異国の文章でも読むように明治文学を読んでほしい。」と述べている。レンガ造りの明治期の建造物を思わせる格式ある文章が特徴だ。本作での著名ではない明治の文人・芸人の色々な話は、ただただ非凡な力を感じさせられる。2015/07/02

Hiroki

1
mybook ★★★ 執拗さはド外れている、そこが森さんの持ち味なんだろうが、しばらく読まなくて良いなぁ2020/05/29

amanon

1
ある程度予想できたことではあるが、過日読んだ『明治人物夜話』といくつか重複する文章が掲載されているので、最初手に取ったときは、正直読むのを止めようかという気に少しだけなってしまったが、いざ読み始めると、一度読んだ文章でも新たな発見もあり、殆ど貪るように読み進めることになった。解説で内田樹氏も述べているとおり、ここで森氏が取り上げている人物の多くは誰の脳裏にも浮かばない人である。そのような人達を今一度人々の脳裏に留めておくという任務をこの書は担っているのだと思う。2008/10/25

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