出版社内容情報
会話が通じない。誤りをみとめない。ひょっとしておかしいのは自分? 日常で噛みしめる人生の味は、苦虫の味。文筆の荒法師、町田康の叫びを聞け。
内容説明
会話が通じない。ひょっとしたらおかしいのは自分?「コミュニケーション・ブレイクダウン」「陽気な僕ら浮気なあんたら。ハッピーなデイズ」「反省の色って何色ですか?」ほか、日常で噛みしめる人生の味は、苦虫の味。文筆の荒法師、町田康の叫びを聞け。
目次
コミュニケーション・ブレイクダウン
洞窟から誰も出てこない
陽気な僕ら浮気なあんたら。ハッピーなデイズ
「いつもの」と言って来るのは知らねぇ料理
世の中の仕組みを見通したのらくら者の涙
球が的にあたらない
卑屈展。世紀寒
DPEの憂悶
人生のループ
ドゴンの珍奇〔ほか〕
著者等紹介
町田康[マチダコウ]
作家、ミュージシャン。1962年大阪生まれ。高校時代より町田町蔵の名で音楽活動を始める。97年に処女小説『くっすん大黒』で野間文芸新人賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞、2000年には「きれぎれ」で芥川賞を受賞する。01年詩集『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、02年「権現の踊り子」で川端康成文学賞を受賞。05年に『告白』で谷崎潤一郎賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
50
生きていると日々出会う理不尽や無礼、口中に広がる苦虫の味。テースト・オブ・苦虫。エッセイのような日常で始まりながら途中から町田ワールド妄想不思議な世界に繋がって、空間がねじれてまた元の世界に戻る。いやーんな苦虫。不愉快な出来事が描かれていながら町田文体にニヤニヤ、クスクス、ゲラゲラ笑って読後スッキリ。はは。おもろ。2016/08/12
Y2K☮
30
シリーズ2冊目の毒は、じゃなくて読破。エッセイと小説を同時に味わえる略してエセ小説(ディスってません)。もう目次の段階で元が取れる。「『いつもの』と言って来るのは知らねぇ料理」「やられるまえにやるまえにやられる」等々。その発想無かったわ。そして今回も解説が素晴らしい。銭勘定とは別に著者の事をガチで好きな人が書くからこの味が出る。ロック以上にパンクというのは定義が曖昧で、でも堅苦しい定義とか無粋で、要はナチュラルなレヴォルトというか必死にもがく己をジョークにデフォルメというか。逆方向から吹き荒れる癒しの嵐。2018/11/02
michel
23
★4.0。ヘイ!苦虫の、味。町田先生の”珍奇”や”粋”などのモノサシがすごく好き。言葉遣いの遊びが満載で、飽きない。こんな頭だったら、きっと私ならスクイーズ、狂死する(笑)2018/11/14
ちぇけら
20
本日は職場で新年会というものがあって、え?お前の職場でもそんなものあるのと言う人があるかもしれないが、諾。あるのである。焼いた肉や蟹の味噌を食らいながら酒などを飲んでドンチャンする集まりである。一番下っ端なのに酒を飲んでフラフラという不甲斐なさをお誂えむきのヘラヘラした笑顔で隠して切り抜ける。へーそうなんでございますねとヘラヘラ。えーそれは大変でございますねとヘラヘラ。どんどんさめていく酔いを無理矢理周りに合わせて盛り上がる。解散して汽車にのると酔っ払いのおっさんの息がもりもりかかってヘイ!苦虫の、味!2019/01/21
更夜
20
テーストオブ苦虫。苦虫の味。という訳で、楽しく愉快で明るい話題はなく、パンク歌手なのに、律儀できれい好きの潔癖さを持つ町田さんが苦虫の味を味わっちゃったあれこれのエッセイ。暗いかというと、そこら辺は文章の言葉選びとリズムで、ひがみにはなっていませんし、ただ怒っているばかりでもなく、時には自分にとほほだ、と天をあおぐ。文章が凝っているので、すらすらとは読めませんでしたが、読んでみるとなかなかの味わい。苦虫の味。2015/11/14
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