中公文庫
中国美人伝

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  • サイズ 文庫判/ページ数 301p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122048829
  • NDC分類 282.2
  • Cコード C1195

出版社内容情報

西施、卓文君、王昭君、羊献容、薛濤、萬貴妃、董妃――。中国悠久の歴史を彩る七人の美女たちの確乎不抜な姿を、現代に鮮やかに甦らせた〈美人ものがたり〉。

内容説明

漢から匈奴に嫁ぎ、両国の間に「六十年の平和」をもたらした王昭君。十四歳で晋の皇后となり、五たび皇后を廃されるも、ついには匈奴の皇后となった羊献容―。中国悠久の歴史のなかで、数奇な運命をたどった七人の美女たちを描く。

目次

西施
卓文君
王昭君
皇后羊献容
薛涛
萬貴妃
董妃

著者等紹介

陳舜臣[チンシュンシン]
1924(大正13)年、神戸に生まれる。大阪外語大学印度語部卒業。同校西南亜細亜語研究所助手を勤めるが終戦によって辞職し、家業の貿易に従事。1961年、『枯草の根』により江戸川乱歩賞を受賞し作家生活に入る。69年、『青玉獅子香炉』により直木賞、70年、『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』により日本推理作家協会賞、71年、『実録アヘン戦争』により毎日出版文化賞、76年、『敦煌の旅』により大佛次郎賞、89年、『茶事遍路』により読売文学賞(随筆・紀行賞)、92年、『諸葛孔明』により吉川英治文学賞、93年、朝日賞、さらに95年、「作家としての業績」により日本芸術院賞をそれぞれ受賞する。日本芸術院会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

13
西施から董妃まで中国の各王朝のいろんな美人に纏わる短編集。西施と王昭君の章が好き。 順治帝時代の董妃の章の最後に、愛する珍妃を西太后に井戸に沈められた光緒帝が、順治帝と董妃について思いを馳せるシーンがせつない。 この本を読んでると、王朝が幾度も入れ替わり、皇帝が人々を救ったり苦しめたりしてきた中国が、最高権力を世襲じゃなく、共産党という組織にもたせることにしたのは好き嫌いは別としてすごい選択だったなと思う。 それとも、歴史はいつか繰り返されるのか。2020/02/02

はち

6
西施、卓文君、王昭君、皇后羊献容、薛濤(詩人)、萬貴妃、董妃の7人の中国の歴史上の美女を描いています。私が知っていたのは西施と王昭君だけでした。卓文君のような王族ではない女性の記録が残っているというのはすごいことだと思いました。 2013/08/17

明智紫苑

5
陳さんが描いたヒロインたちには変な嫌味がない。理想的な女性像を描いても説教臭さがない。そもそも陳さんの小説自体が、宮城谷昌光氏の作品のお説教臭さや塚本靑史氏の作品の露悪趣味という両極端とは対照的な「中庸」が安心して読めるのだ。特に興味深いのは西晋の皇后羊献容の話だが、これは「アーサー王伝説のグィネヴィア王妃は『王権』を象徴する女神の化身だ」という説を連想させる。2016/06/03

ちょび

5
歴史が苦手で室町時代と鎌倉時代、どちらか先かもわからない。三国志もジャンヌダルクもわからない。竜馬がゆくも途中で挫折した。と言ったら歴史好きの知人がお勧めしてくれた本。難しい!!出てくる固有名詞が地名なのか人名なのかがまず分からない!人名も男なのか女なのかもわからない。でも頑張って全部読んでみた。多分これ基礎知識があったら相当面白い本だ!という事だけはわかりました。出直して来たいと思います。歴史好きの方、この様な私になにかお勧めありましたら教えて下さい。。。2015/06/28

中村禎史

4
時代順に7人の女性を取り上げているが、一番印象的だったのは最後の清朝の菫妃。 皇帝(順治帝)が自分の弟の妃=菫妃と恋愛関係になり、弟は死ぬ。その妃が亡くなった4か月後にその皇帝もなくなったと記録されているが、どうやらそうではなく五台山に隠棲して妃の菩提を弔い、時に後を継いだ息子(康熙帝)に助言を与えていたとか。 著者の中国史への造詣の深さがふんだんに香る、素晴らしい作品だと思います。2015/05/04

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