出版社内容情報
向田邦子のドラマに溶かし込まれた、秘められた「恋」とは? 晩年の恋に関する取材から明らかになった新事実・新証言をもとに向田ワールドを再構築する。
内容説明
向田邦子のドラマに溶かし込まれた、秘められた「恋」とは?晩年の恋に関する取材から明らかになった新事実・新証言をもとに、向田ワールドを再構築する。書き下ろし特別エッセイ「久世さんの一周忌に寄せて」を収録。
目次
第1章 見合いはどうして壊れたのか―「冬の運動会」に隠されたもの
第2章 「針女」と有吉佐和子の影響―「あ・うん」はいかに成立したのか
第3章 向田邦子の“エロス”表現
第4章 “弟”たちとの戦い―“男社会”をいかに生きるか
第5章 “最後の恋”をめぐって―十六年目の短い告白
特別エッセイ 久世さんの一周忌に寄せて
著者等紹介
小林竜雄[コバヤシタツオ]
1952年(昭和27)、東京生まれ。早稲田大学文学部卒業。78年、脚本『もっとしなやかに、もっとしたたかに』が第四回城戸賞に準入賞し、翌年にっかつで映画化(藤田敏八監督)される。以降は脚本家として活躍。早大文学部講師もつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ごく
3
彼女の作品において、彼女の私生活が随分多く反映されていたことに驚いた。普通の恋愛をしていたら、あのような辛辣さやどことない寂しさは醸し出されなかったのか。それとも、ホームドラマを嫌った前衛的な思考が秘めた恋に走らせたのか。。。人生の帳尻が合っていたとしたら、若くして亡くなってしまったけれど、その時素敵な恋愛をしていたのかもしれない。縁起でもないがなんとなくそんな思いにかられた。もし今でも生きておられたら橋田壽賀子氏を凌駕していたに違いない。2012/06/16
ジャッキー
2
向田邦子の恋人は誰だったか。この謎を著者はシナリオ、対談の中から探りあてた。シナリオを書きながら、恋人のN氏の生活をバックアップして必死にがんばった30代、テレビのディレクター、監督と真っ向から対立してシナリオを書いた40代、直木賞を取ってこれから小説を書こうとした50代のことがよくわかる。事故で亡くならなかったら結ばれたかもしれないシナリオライターがいたこともわかった。本を読めば読むほど事故で亡くなったことが今も残念でならない。向田邦子の最高傑作「あ・うん」という作品を今一度読みたくなった。2011/11/14
ミイ子
2
和田勉さんとの決別の経緯が書かれた第4章“弟たちとの戦い”が特に興味深かったです。2009/02/18
4fdo4
0
こねくり回し過ぎ。 向田邦子さんに失礼だと思う。 2013/03/31
Sumiyuki
0
N氏の妻と子の心中未遂。N氏の自殺。敏雄の浮気と母の入院。エッセイに書かなかったこと。貿易商。冬の運動会。疑似家族。阿修羅のごとくの四姉妹は当て書き。柴英三郎。具体音痴。人の生き死には寿命。万人の弱さへの温かな眼差し。@柴「それは当然、ありますよね。向田邦子論になりますが、あの人は人の何倍も目と耳のいい人ですね。耳ざとい、目ざとい、聡明って言葉がありますね。聡は耳ざとい、明は目ざとい、本当に聡明そのものですね。自分が見たもの、聴いたものをその場でパッとね。そのことの意味づけが鋭いっていうか、早いですね」2018/04/20