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中公文庫
日陰者ジュード〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 346p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122048430
  • NDC分類 933
  • Cコード C1197

出版社内容情報

学問で身を立てることを夢見る青年、ジュード。貧困と破綻した結婚生活により挫折する若者を赤裸々に描いたこの作品を最後に、ハーディは筆を折った。上巻。

内容説明

オックスフォードに行き、学問で身を立てることを夢見る青年、ジュード。貧困と結婚生活の失敗によって何重にも挫折していく若者を赤裸々に描き、発表当時非難の限りをあびたこの作品を最後に、ハーディは筆を折った。全二巻。

著者等紹介

ハーディ,トマス[ハーディ,トマス][Hardy,Thomas]
1840年、イギリスのドーチェスター近郊に石工の息子として生まれた。建築家として修業するかたわら、小説執筆に手を染め、1871年最初の作品『窮余の策』を出版。以来、故郷ウェセックスを舞台に人間存在の悲劇性を主題とする数多くの作品を書いた。代表作は『はるか狂乱の群れを離れて』『キャスターブリッジの市長』『ダーバヴィル家のテス』『日陰者ジュード』など。発表された当時、「テス」と「ジュード」の二作品は既成道徳に真っ向から逆らうものとして激しく非難され、ハーディは以後小説の筆を折り、詩作に専念した。1928年没

川本静子[カワモトシズコ]
1933年生まれ。津田塾大学英文科卒業。東京大学大学院修士課程修了(英語英文学専攻)。ハーヴァード大学大学院留学。津田塾大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

109
著者による前書きを読むと、出版された時は、その内容に対する批判が激しく、本人がもう長編は書かないと決心するほどだったとあるため、その問題の書は?と期待して読み始めたのだが。特別なものは上巻では感じない。親のない貧しい少年は、勉強は好きで向学心はあるもののの、その機会をもてない。しかし、周りの大人が格別酷いわけでもなく、女性に対して多少だらしないところで自らに足枷をかけているとも言え…。後半に期待。2016/02/04

扉のこちら側

78
初読。2016年15冊め。【108-1/G1000】孤児の少年が貧困によって学問の夢を絶たれながらも、独学でいつか身を立てようとする。しかし結婚した村娘が失踪し結婚生活が失敗に終わり、夢も遠のいて行き、劣等感に身を苛まれる日々を過ごすようになる。発表当初は避難の嵐だったという本作、下巻が気になる。【第8回G1000チャレンジ】【第54回海外作品読書会(1月8&9日)】2016/01/10

みっぴー

43
学問によって出世し、大主教を夢見る少年の物語です。貧困にあえぎながら現オックスフォード大への進学を夢見て、労働の合間、読書に勉学に励む日々。が、彼が成長するにつれ〝日陰者〟の本領を発揮します。己の弱点は酒と女だと自覚しておきながら、早速女に騙されて結婚し、学問への情熱を失ってしまいます。意志が弱いのか女運が無いのか…。ミュージシャンを夢見て上京、そして挫折の典型的なパターンのように思われます。読んでて明るい気持ちにはなれませんが、続きが気になります。下巻へ。2016/03/10

星落秋風五丈原

21
【ガーディアン必読1000冊】鳥追いをやっていて、害鳥のカラスにさえ餌をやってしまうような性格だから、ジュードには商売は向かない。ちょっとシャイだが先生もむいてそうだ。しかしどんなに渇望しても学問の道は彼に開かれない。そんな時養豚業を営むアラベラから、豚の陰茎を投げつけられる。肉体的快楽を求めるアラベラの登場として、陰茎は露骨な比喩だ。世間慣れしていない彼は、偽の妊娠話にあっさりひっかかり結婚。これがつまずきの始まりだ。この後ジュードは憧れの従姉スー・ブライズヘッドと出会うがこの先タイミングがずれ続ける。2023/07/25

Miyoshi Hirotaka

20
1955年版は「ヂユード」という表記だった。これは原題「Jude」の転記。ここからビートルズの有名な楽曲『Hey Jude』が誕生。ロックは音楽ジャンルとして不動の地位を獲得したが、初期は日陰者の存在。生みの苦しみがあり、迷走もした。そこから抜け出そうと文学作品にも題材を求めた。これもその例の一つ。『ポール・マッカートニーザ・ライフ』に書かれていた。『日陰者ジュード』は何度も版を重ね、『Hey Jude』以降は、ヂユードからジュードへと表記を変えた。読んだ本が次に読むべき本を教えてくれる読書の醍醐味。2021/03/17

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