出版社内容情報
忽然と消息を絶った旅客機が今、還ってきた。だが六十八名の乗員乗客にとって時計の針は十年前を指したまま……。歳月を超えて実現した奇跡の再会の物語。
内容説明
かつて、忽然と消息を絶った報和航空四〇二便YS‐11機が突如、羽田空港に帰還した。しかし六十八名の乗員乗客にとって、時計の針は十年前を指したまま…。戸惑いながらも再会を喜ぶ彼らと、その家族を待ち受けていた運命とは―。歳月を超えて実現した愛と奇跡の物語。
著者等紹介
大石英司[オオイシエイジ]
1961年生まれ。鹿児島県出身。経済誌のライターを経て小説家へ転身。日本冒険作家クラブにおいて、長年幹事を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちょこまーぶる
137
一気に読んだ方が良いだろうなと思った一冊でした。消息を絶ったYS11が10年後に突然現れて、乗員それぞれの10年という時間を埋めるべき3日間の運命的な行動の話ですが、私には登場人物が多くて戸惑い、しかも読んだ時期も年末年始で落ち着いて読めなかったので、この本の世界に浸るという事はできませんでしたね。でも、それぞれの人が3日間という短い時間で本人やその周辺の方々に対して突然の死からけじめのある死へと変えていった過程は奇跡が生んだ愛の物語と言っても良いかもしれません。読まれる方は一気に読むことをお勧めします。2017/01/04
M
78
墜落したとされていた68人乗りの航空機が10年ぶりに帰還。遺族にとっても辛く長かった時間。事故により10年の間に変貌したさまざま。そしてわずか3日間の猶予。SF要素と結果としての現実要素が混じり、望みのままにはならない。もし自分ならどう受け止めるか…考えさせられました。2018/04/02
青葉麒麟
67
内容が内容だけにどうしても『黄泉がえり』と比べちゃう(-_-)消えた瞬間に衣類等がそのまんま残っちゃうのは笑えた。特に富士登山の場面。2012/03/15
おかだ
64
すごい昔にTVドラマで観たやつが、本屋で平置きになっていてエッとなり手に取った。10年前に消息を絶った旅客機が突如戻ってくる。でも三日間でまた消えてしまうという。乗っていた人は皆、10年前の姿のまま…。ドラマを観てた若い頃の自分は10年って取り返しのつかない期間だと思っていたけど、年取った今となっては10年なんて大したことないとも思える不思議。それぞれが10年ぶりの再会に揺れ、寄り添い、悲しみ、喜び…こんな奇跡があっても良いなとグッと来た。登場人物が多くてゴチャッとした印象だけど、最後まで興味深く読めた。2019/02/12
ちーたん
58
★★★☆☆1994年乗員乗客68名を乗せた航空機が忽然と消息を絶ち、10年の時を経て、突如当時の姿で帰還するというファンタジー。遺族らは10年の歳月で様変わりする一方、当事者達は10年前の時計を指したまま。再会を果たす彼らを待ち受けている運命とは?登場人物が非常に多いため、パート割が多く、また短くなってしまうので、駆け足感は否めないのが残念。もっと10年ぶりの再会に感極まるものが個人的には欲しかった。ただ、読後感は切ないながらも、なんだかほっこりする。今当たり前にそばにいてくれる人との時間を大切にしたい!2019/03/14