中公文庫<br> 海野十三敗戦日記

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中公文庫
海野十三敗戦日記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 223p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122045613
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C1195

出版社内容情報

独創的なアイディアの科学小説・ミステリを発表してきた著者による戦時中日記。

内容説明

八月十日の新聞で、広島に投下された爆弾が原子爆弾だと知った海野十三は、日記にこう書いている。「空想科学小説などに、原子爆弾の発明に成功した国が世界を制覇するであろうと書かれているが、まさに今日、そのような夢物語が登場しつつあるのである」。日本SF界の父が科学者の視点で書いた戦中日記。「空襲都日記」「降伏日記」の二部構成で昭和十九~二十年の二年間を収録。

目次

空襲都日記
降伏日記
愛と悲しみの祖国に(橋本哲男)

著者等紹介

海野十三[ウンノジョウザ]
1897(明治30)年徳島生まれ。早稲田大学理工学部卒業。電気試験場に勤め無線通信の技術開発に従事する傍ら、科学雑誌に解説を多数執筆し、技術専門書を刊行した。初のフィクション『ラジ夫と電子王の話』を発表後、海野十三名で処女科学小説『遺言状放送』以降、海野十三名を使用。以後、探偵小説や空想科学小説を数多く執筆し、人気を博す。41年、海軍報道班員として従軍。49(昭和24)年没

橋本哲男[ハシモトテツオ]
1923年(大正12)、東京生まれ。明治大学文学部卒。学生時代に海野十三に師事。48年(明治23)、毎日新聞社入社。77年に退職ののち、フリー・ライターとして多数の著作を発表
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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tekka

1
「鈴木貫太郎海軍大将は、枢府議長の任にあったが、今度大命を拝した。七十八歳の高齢と聞くが、日本の国はどうしてこう年寄の御厄介にならないとたっていけないと、重臣たちは考えるのであろうか。腑に落ちない。今までそれで散々失敗していながら、戦時下最終の内閣を組立てるのだといわれながら、この老人の顔に出られては、われらの士気もあがらない。」2021/02/27

mdsch23

0
女婿が海軍大尉(搭乗員)、本人は海軍に徴用されて報道班員として南方に取材で送られたところ病気で帰国。報道されないような話が紛れているのは軍に近い作家のつながり故の部分もあったのではないか。7月までは総じて冷静な分析されているが、原爆から敗戦に到る8月の動揺ぶりは戦争に対して思い入れの強さを感じる。清沢冽は「暗黒日記」で冷静な分析、批判を書き残して知られてますが、彼が8月に存命だったらはたして海野十三のような反応をしたのだろうかと考えると、海野十三の動揺ぶりが何故か見えてくる。2016/05/10

HAL

0
青空文庫にて。面白かったといっては失礼かもしれないが、戦時下も戦後も色々興味深く拝見。空襲で町が焼け、御徒町から両国が見えたというくだりに愕然。何度も空襲警報で起こされ、いっそ来るなら来いに苦笑。大変な状況であっても家族や親族、ご近所さんから見知らぬ誰かのことまで心痛める様子にしみじみ感動。戦後、結婚が度重なることについて、めでたいながらも(出費的に)つらいようなことを書かれていて、戦争終わったのだとこちらも実感。一家で自決せず書いてくださってよかった。読めてよかった。平和はありがたい(*´∀`)2016/04/15

くらーく

0
早稲田大理工学部を卒業し、空想科学小説作家であった著者でも、大本営発表を信じて、日本が勝利すると思っていたのが、不思議。 開戦前に、アメリカとの工業力等の差は分かっていただろうに。時間を追っての状況悪化を肌で感じていても、最終的には日本勝利の信念が変わらなかったのは何故だろう。2014/08/30

Gen Kato

0
資料として。また、空襲下における一国民の記録として。いろいろ考えさせられた。2013/10/08

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