出版社内容情報
ベリー地方の田園地帯を背景に、野性の少女ファデットが恋に導かれ真の女へと変貌をとげてゆく。双子の兄弟との愛の葛藤を清新な自然描写とともに描く。
内容説明
フランス中部ベリ地方の緑豊かな農村を舞台に、野生の少女ファデット(鬼火または妖精の意)が恋に導かれて賢くも美しい大人の女性へと変貌をとげてゆく。双子の兄弟との愛の葛藤を配した細やかな恋愛描写は、清新な田園風景とあいまって美しい。主人公のモデルは幼少時代の作者自身といわれ、一連の「田園小説」のなかで最高傑作といわれている。
著者等紹介
サンド,ジョルジュ[サンド,ジョルジュ][Sand,George]
1804‐76。フランスの女流作家。パリ生まれ。四歳で父を失い、中仏ノアンで父方の祖母のもとで成長、一三歳から二年余、パリの修道院で過ごす。一八歳で結婚するが、31年、二人の子を残してパリに出、道教の小説家サンドオと同棲、共作で小説を発表、これを契機にジョルジュ・サンドを筆名とした。ミュッセやショパンなど多くの芸術家と恋愛、結婚制度や社会の因習、偏見に抗議して女性の情熱追求の自由を主張した
篠沢秀夫[シノザワヒデオ]
1933(昭和8)年、東京生まれ。学習院大学仏文、東大大学院修士課程卒、フランス政府給付留学生、パリ大学文学部現代文学免状。明治大学教授を経て、73年学習院大学文学部教授。学習院大学名誉教授。一九世紀後半から今日までのフランス文学においての表現の問題を研究
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感想・レビュー
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ruruti
7
子供の頃、少年少女世界の名作文学でワクワクしながら読んだので、あのワクワク感をもう一度・・・と思って読んだけど、弟を思う双子兄の苦悩の方がより迫ってくるものがあった。映像で見たい物語。 2014/02/06
nanako
3
貧しくて醜くて意地悪だと思われていた少女ファデッドが、双子の兄弟の弟と関わりながら、美しく成長していく物語。 これこそ風評被害から立ち直る物語ではないかなと思いました。人々は目に見えることしか見ません。きれいか醜いか、愛嬌がいいか意地悪か。人を見るときは、あらゆる角度からみたほうがよいことを教えてくれました。2014/08/13
讃壽鐵朗
2
青春時代に読むべき本、年寄りにはしんどい2021/04/25
いと
2
7/10 図書館本。小学生の頃大好きだったお話。読み返してみたくなり調べてジョルジュ・サンドの作と初めて知った。読み返してみると子供の頃の記憶とは少し違っていた。ファデットはもっと不思議な女の子だと思いこんでいたようだ。2018/05/19
たそがれ浩兵衛
2
1849年初版の小説。。ショパンの恋人のジョルジュ・サンドさんってどのような方なのかと思い読む。今と違うところが新鮮に感じる。田園風景。神様に対する気持ち。想像しながら読んでいるのでとても楽しかった。訳者の篠沢教授の訳もとても自然でよかった。2017/12/22