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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
56
石井先生のこの本は非常にわかりやすく書かれています。最近読んだ小説で頼朝が暗殺された可能性を言っているのがありましたが、この本でも若干そのような感じを出されています。「吾妻鑑」が北条氏の都合に良いように書いているということも推察されます。また仏教についての道元と親鸞について興味深く読むことができました。最後に都市としての鎌倉のことを書かれていますが昔はかなり人口過密地域だったようですね。2015/05/09
Book & Travel
46
日本史の通史のシリーズは岩波新書のをいくつか読んでいたが、故石井進氏の著作を読みたくて、名著と言われるこの中公文庫版の「鎌倉幕府」を手に取った。40年以上前の執筆で今では古い研究もあるようだが、頼朝の挙兵から元寇前夜までの80余年が、物語も交えたドラマチックで率直な分かりやすい筆致で書かれ引き込まれる。有能な政治家であった頼朝、武家政治を確立した北条義時・泰時、新しい文化を担った運慶や定家に、法然、親鸞、道元。個性的な人物が活躍する時代が生き生きと描きだされ、560ページの長さも全く飽きることがなかった。2018/04/18
てつ
41
まがりなりにも天皇中心の世界が、武家による独立した政権を作った時代。北条政子の良くも悪くも強烈な個性が凄い。2020/10/10
no.ma
19
解説によれば、本書はそれまでの学問の水準を大きく超え、以後の鎌倉時代の通史叙述の範となった著作です。鎌倉幕府はいつ成立したのか、「天皇御謀叛」という表現の形容矛盾、「吾妻鏡」に「平家物語」、鎌倉新仏教などなど、丁寧な説明で分かりやすく、歴史小説のように流れる文章は読みごたえがあります。なかでもこの時代はやはり鎌倉殿ですね。頼朝の忍耐力、周到な計算と駆け引き、そして鎌倉の軍事政権を作り上げた手腕、著者がいうように日本史有数の政治家です。これから私は鎌倉時代といえばこの本を読みかえすと思います。2025/05/22
34
11
歴史のたんなるコメンタリーにとどまらない、通史。2017/01/08