内容説明
飛鳥に根拠をおいた天皇家は、豪族から一段優位な地位を確保しつつ統一国家を組織してゆく。大化改新、壬申の乱など緊張したドラマ豊かな上昇期を、微妙な一瞬にいたるまで再現し、聖徳太子、蘇我馬子、天智天皇、持統女帝など卓越した人物たちの立場を明らかにしてゆく。
目次
新王朝の出発
保守派物部氏の没落
推古女帝
聖徳太子の立場
日出ずる国からの使者
いかるがの大寺
クーデター前夜
改新断行
難波の都
悲劇の皇子〔ほか〕
著者等紹介
直木孝次郎[ナオキコウジロウ]
1919年(大正8)、神戸に生まれる。1943年(昭和18)、京都帝国大学国史学科を卒業。大阪市立大学、岡山大学、相愛大学等の教授を歴任、現在、大阪市立大学名誉教授。著書に『日本古代国家の構造』『飛鳥奈良時代の研究』『日本神話と古代国家』その他多数。一連の古代史研究により、第一一回井上靖文化賞受賞
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感想・レビュー
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i-miya
52
2014.02.06(01/27)(つづき)直木孝次郎編。 02/04 (P006) 身を守る陰の多い飛鳥の地、こころを休めることができた。 灘波の宮=荒い西風が吹く。 大津の宮=冷たい氷雨が降る。 神々の祝福のあるところ。 6-7世紀の200年間にわたり発展期、古代貴族の夢をはぐくんできた。 その文化を成熟させた。 飛鳥時代。 飛鳥時代前期、飛鳥時代後期。 飛鳥時代前期、奈良時代前期。 仏教伝来-大化の改新-奈良遷都。 白鳳時代と呼ぶことにする。 2014/02/06
i-miya
51
2013.11.20(11/20)(再読)直木孝次郎著。 11/19 (絵) 百済観音像。 ◎新王朝出発。 大和は日本のふるさとであるという。 この飛鳥に愛惜の情を持つ、現代の私たちのこころにも通じるものがある。 政治にしても、奈良の朝廷にはすでに一種の停滞が見られるが、飛鳥時代には上昇波の緊張がみなぎる。 (写真)飛鳥川、飛鳥右京と大和川。 (飛鳥と皇都) 飛鳥に最初の都を置いた最初の天皇は、允恭天皇である。 倭王武である。 2013/11/20
i-miya
47
2013.12.27(12/27)(つづき)直木孝次郎編。 12/27 (p005) この間の皇居、飛鳥の地を離れても、一、二代のちにはまた飛鳥に戻ってくる。 三十六代孝徳天皇、難波豊碕宮、三十八代天智天皇、大津の宮のように遠く離れたこともあるが、例外。 他は離れても大和盆地の東南区に属する。 なんとなく飛鳥を離れにくいのか。 理由:朝廷を構成する貴族が近くに住むから。 2013/12/27
Book & Travel
44
このシリーズの中世から読み始めたが一旦古代へ。二巻は継体天皇から持統天皇までの約二百年。とても読み易い文体で、様々な説を取り上げつつ「~と考えたい」と著者の意見が交えられることで、当時の人物が生き生きと浮かび上がってくるようだ。謎多き聖徳太子、強さと非情さを持つ中大兄皇子、バランスのいい天武天皇、どことなく悲壮感漂う持統天皇。革命や乱を経て古代国家完成に向かう劇的な時代であり、一方で後継争いに敗れた皇子の悲劇も印象に残る。他の巻と同様、一流の研究者である著者の個性が表れ、歴史の面白さを味わえる一冊だった。2018/12/14
てつ
42
厩戸王子から壬申の乱の頃までの概論書。いわゆる教科書に近いんだけど、これが面白い。小説を読んでいるようで、それでいて史料などを駆使して、分かりにくい古代の人名を丁寧に整理して書いている。シリーズの1巻はほぼ神話の世界だったが、3巻はどうだろう。2020/09/15
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