出版社内容情報
その破滅は深き情けゆえ。愛の炎は周囲をそして我が身までも焼き尽くす。メデイアの愛の行方は? アルゴー号の英雄たちの栄光と悲哀を鮮烈に描く!
内容説明
心変わりした夫に天罰にも等しい苦しみを―王女メデイア、戦慄の復讐劇。
目次
第1章 イアソン
第2章 アルゴー号は行く
第3章 激情のメデイア
第4章 ベレロポンテス
第5章 英雄テセウス
第6章 アリアドネの赤い糸
第7章 パイドラとヒッポリュトス
第8章 レダと白鳥
第9章 その後のテセウス
著者等紹介
里中満智子[サトナカマチコ]
1948年、大阪市生まれ。64年『ピアの肖像』により第1回講談社新人まんが賞を受賞し、16歳でデビュー。翌年、単身上京、漫画家生活に専念する。74年『あした輝く』などにより第5回講談社出版文化賞児童まんが部門賞、82年『狩人の星座』により第6回講談社漫画賞を受賞。近年はエッセイも手がける。漫画家協会常務理事
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
空のかなた
19
ギリシャ神話は想像を越える人物設定と、波乱万丈の人生や教訓で溢れていて、読むたびに発見があります。里中真知子先生が描く王女メディアは、激情型ですが、本気で相手を愛し尽くす一途な女性とも読めます。その分裏切られた時の哀しみが深く、相手と共に自分を深く傷つけてしまう。魔術は使うけれど、果たして魔女と言えるのかと投げ掛けてきます。2019/07/13
アイアイ
11
幼い弟惨殺までして愛し助けたメデイア。「もしもあなたの愛が醒めてしまったら私はもう狂うしかない」と宣言してるのに、イアソン全然聞いてなかったね、恋って恐ろしい。度重なる子供殺しが酷いけどメイデアは罰されず再婚までしてまた子を産んでいる・・怖。本編のシリアスな内容とギャグのこぼれ話のギャップがいい。 ミノタウルス、イカロス、赤い糸の起源?など小話も分かりやすい。▽図書館2015/08/02
Tomoko 英会話講師&翻訳者
7
メディアの激情ぶりがすごかった。クレタ島のミノタウロスとラビリンスの話も。ラビリンスの設計者はイカロスの父。クレタから無事帰ってこれたのにテセウスは船の帆の色を変えるのを忘れる。(モザイク画で見た話だ)2017/03/13
viola
7
メディアのことを全然知りませんでした・・!だからか、これまでで一番インパクト大。分からなくもないよ、メディア。だいたい全てを捨てて付いてきてるんだから、不安になって当り前な気が。でも、イアソンの気持ちも凄い分かる。・・・結局、相性が悪かったのではないの?という気がしてきます。魔女というか狂女なのに(だから)魅力的。メディアの他にはミノタウロスのお話が。小学生の頃、このあたりが愛読書でした。そうだよね、ミノタウロスだって好きでそんな姿で生まれてきたんじゃないよね。彼の独白が何だか切ない。2011/07/20
Nana
6
「恋愛がおぞましいものと決めつけるなんて」「重大な侮辱だわ」(第7章)女神アプロディテがこういうのお嫌いなのは知らなかった。ミノタウロス退治に向かうテセウスが迷宮から戻れるよう、アリアドネが赤い糸を渡すところが好き!勇気と才覚溢れる行動。イカロスが太陽に近づき羽を失うエピソードと繋がって感動した(第6章)。 2004年のアメリカ映画Troyが大好きな私は、スパルタの人物が出てきてテンション爆上がりした(第8章)。いよいよ次巻トロイの木馬が楽しみ!2022/05/28
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