出版社内容情報
強烈な個性と鬼神の如き棋力をもって不世出の将棋名人となった升田幸三が、少年時代から名人位獲得までの波乱の半生を奔放に語った自伝。主要棋譜を収録。
内容説明
「名人に香車を引いて勝つ」と物差しの裏に書き遺して家を出た少年期、広島での放浪生活、大阪の木見八段への入門、終生のライバル大山康晴との出会い、阪田三吉の思い出、宿敵・木村名人との激戦、「陣屋事件」の真相、そして悲願の成就。不世出の将棋名人が自ら語る、波瀾万丈の半生記。
目次
わが最大の腕白事件
極道親父と優しかった母
剣豪の夢破れ将棋の道へ
決意を物差しに残し家出
天ぷら屋に勤めてみたが
また文無しで広島を出奔
木見八段宅にたどりつく
将棋どころか雑用ばかり
とうとう「初段」になった
強くなって生意気ざかり〔ほか〕
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けぴ
36
現在は将棋は全てのタイトルを制すると8冠王。かつて名人、王将、九段だけのタイトルの時代に初めて3冠王となった升田幸三の自伝。現在のようなコンピュータ時代とは異なるが、勝負の迫力は久々と伝わる好著!2024/05/27
ビイーン
30
半端なく面白い。後世に語り継がれる伝説の天才。風貌からして強烈、異彩を放つ。母が使う裁縫道具の物差しの裏に「名人に香車を引いて勝つ」と書置きを残し、升田少年が14歳で家出するエピソードはあまりにも有名。将棋界の人間模様も生々しく描かれ興味が尽きない。2021/06/23
旗本多忙
28
日本一の将棋指しになることに決めた幸三少年は、母の物差しにその決意を書き残し13歳の時に故郷を逐電。大阪の木見金治郎8段に弟子入り。先生や兄弟子らに揉まれ、その素行たるや波乱含みであるが、将棋も奇抜で大きく、東京の木村名人を倒すのはアンタしかおらん!坂田三吉の言葉に一層奮起し、打倒木村名人と執念を燃やす。昭和の棋士の相関的なこともわかり歴史的にも面白い。戦前戦後を将棋にかけ、ついに名人との対局で香車を引いた。実力名人升田幸三の素顔。2020/08/26
藤瀬こうたろー
17
昭和の時代、常識にとらわれない棋風で将棋界を牽引した棋士の自伝。升田さんというと蓬髪で口ひげを生やした和装の姿が今でも頭に浮かびます(「月下の棋士」を知ってる人ならあの「刈田」の風貌)。怪我をして剣道の道を諦めた升田少年が日本一の棋士を志し、母親の物差しの裏に「名人に香車を引いて勝つ」を書置きして14歳で一人で家を出、誰にも頼らず自活しながら、大阪の木見金治郎八段の弟子となって将棋を学び、阪田三吉と出会い、木村義雄や大山康晴と死闘を繰り広げ、「名人に香車を引いて勝つ」を実現する。これが実話という凄さ。2021/03/06
higurashi_jp
10
GHQに呼び出された話と陣屋事件が詳しく書かれていたので感無量。 毎日新聞社は昔から××だな2020/02/12
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