内容説明
古い国家の羈絆から解き放たれ、自らの運命に生きはじめた孤独な生活者たち。彼ら「士人」は体制への埋没を拒否し、自然の情感に沿って天の道に合しようとした。「天道是なるか非なるか」と厳しく問うことによる文学精神の成立から、現実を避けて桃源郷を求める創作詩にまでいたる、文化の道筋を探る。
目次
第1章 『史記』の世界
第2章 辞賦文学
第3章 楽府と古詩
第4章 創作詩の胎動
第5章 建安の文学
第6章 正始と太康
第7章 陶淵明と謝霊運
第8章 士人と文学
著者等紹介
白川静[シラカワシズカ]
1910(明治43)年福井県生まれ。立命館大学名誉教授、文字文化研究所所長。43年立命館大学法文学部卒。84年から96年にかけて『字統』『字訓』『字通』の字書三部作を完成させる
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感想・レビュー
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roughfractus02
8
春秋戦国時代には、巫祝集団が祭祀を行う古代共同体と自然に根ざした宇宙観が葬られ、その後人々の運命が神なき世界で展開する『史記』が生まれた、と著者は捉える。一方、地方の有力者である「士人」は漢までその共同性を内面化しながら帝国の勢力を保つ。その中で、帝国のシステムから出て神仙の道に傾倒する竹林の七賢の阮籍のような者が孤独を「文学」に吹き込み、漢の崩壊によって没落した「士人」階級出身の陶淵明は田園の生活を謡う。彼の死後百年を経て科挙が始まり、皇帝統治の官僚政治が強化される。本書は、この流れの周縁に倭国を置く。2020/12/17
大臣ぐサン
2
だめだぁ。中身が全然入ってこない。2020/06/21