内容説明
二十世紀初頭に繰り広げられた南極点到達競争において、英国のスコット隊に先んじ南極点初到達の栄光を手にしたノルウェーのアムンゼン自らが著した南極探検の記録。犬ゾリを駆り鉄の意志のもと極点へと突進する探検隊の姿が活写される。
目次
わたしの追想―ベルジカ号
計画と準備
出発―南への航海
フラムハイム基地の建設
冬営
極点への出発
山々を越えて
極点にて
フラムハイムに帰る
著者等紹介
アムンゼン,ロアルド[アムンゼン,ロアルド]
1872‐1928。クリスチャニア(現在のオスロ)に生まれる。25歳のときベルギーの北極探検船に乗り込み、以降極地探検家としてのキャリアを積む。1903年から05年にかけて「ユア号」による北極探査をおこない、アラスカに至る北西航路を完遂。09年からは「フラム号」で南極点を目指し、競合する英国のスコット隊に先んじて極点に到達する。25年からは再び北極点到達に挑戦するも、28年、飛行機でトロムソを飛び立ったまま消息を絶つ
谷口善也[タニグチゼンヤ]
大正2年、愛知県生まれ。昭和8年、拓殖大学山岳部チーフリーダーを務めるかたわら、日本極地研究会設立に参加。元日本学術会議南極特別委員会委員
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感想・レビュー
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yos
1
スコット南極探検隊と比べ、アムンゼン率いる一行の、何と明るく順調に極点をめざすことか。充分に準備され、計画された探検は、寒さに震えることも、飢えに苦しむことも、ましてや死に怯えることもない。もちろん、アムンゼンの南極点到達は、単なる僥倖ではなく、緻密な計画、危険を回避する能力、進むべき時と立ち止まるべき時を見極める判断力、そして、ここというときに行動を起こす決断力など、リーダーとして数々のすぐれた資質があったからである。2005/09/30
azur
0
昔、ドラえもんの学習マンガでアムンゼンやスコットについて読んだのを思い出しました。ただ情熱的に極点を目指しただけでなく、その背景にある冷静な計算、冷徹と言って良い判断などを垣間見ることができ、冒険に興奮するのはもちろん心構えとして得るところが多々あります。2012/06/25
花
0
イギリスのスコット隊と南極点到達を競った、ノルウェーのアムンゼンの手記。アムンゼンは、周到に準備をし、的確な判断で隊を導き、南極点に先んじます。冒険ものというには計算づくで、順調にプロジェクトを遂行したんだなーという印象でした。2011/11/24
mfmf
0
計画的に行動しているからか、淡々としている印象を受けた。このため読み物としてはどちらかというと退屈な印象だったが、実用書的には学ぶところも多かった。2022/03/02
washa46
0
1911/12/14南極点到達の遠征記… 南極点から出発地に戻るまで九十九日間の旅、行程1860マイル(2976キロ)… 計画的で頭脳的で安定感さえ感じさせる… 凍傷にも弱音を吐かない勇敢で力強い隊員達… 大変な偉業を成し遂げたのに、淡々とした行動記録の様な文章がドラマチックさを欠いてしまい、アムンゼンと4人の仲間達による人類初の南極点到達は当然の結果のようにさえ感じさせる… 先駆者達に対する敬意はとても清々しく、その世界を知る者だけが分かち合える“感慨”を伝えてくれる本でした…2021/01/09
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