内容説明
四季の夜空をめぐる星座の数々を月を追って紹介するほか、南半球の星座、星座の歴史までを豊富なエピソードを添えて易しく語る。大正十四年に刊行された処女著『星座巡礼』を改稿した星座入門の決定版。
目次
1 星座四季(冬の星空;春の星空;夏の星空;秋の星空)
2 南極周囲の星座
3 星座の歴史
4 術語解説
5 星は周る(随想)
著者等紹介
野尻抱影[ノジリホウエイ]
1885‐1977。横浜に生まれる。神奈川一中時代、獅子座流星群の接近以来、星のとりことなる。早稲田大学英文科卒業後、教職、雑誌編集等に携わる一方、天文書多数を著述。生涯を通して星空のロマンと魅力を語り続けた。わが国における天文ファンの裾野を広げた功績は大きく、「星の抱影」と称される。冥王星の命名者としても知られる
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感想・レビュー
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へくとぱすかる
32
季節はかなり寒くなってきたが、こういう本を読むと、それでも一度は外に出て、つくづく星を眺めたくなる。抱影がこの本を書いたのは相当な昔だが、かれの紹介する星座の美しさは今も変わらない。宇宙論も素粒子のふるまいとの関わりで理解しなければならなくなったが、もう一度七夕の伝説に心を動かした、子どものころのあの素朴な感覚で、宇宙の宏大さに思いを馳せてみたいような気がする。2016/12/05
galoisbaobab
20
星座88箇所巡り(全部じゃないけどね)なので巡礼です。そして1番目はオリオン座じゃなくっちゃダメなんです。あふれんばかりの星への想いが込められた文章の数々は他の星座解説本をはるかに凌駕します。未だわからないことばかりの天文学は星を見上げることからスタートしていてそしてそれは毎日ボクがやっていることであり神話と先端の研究がしっかり手を結んでいるような気がするのです。タルホ本に野尻抱影の「星座巡礼」が登場したので久しぶりに再読。あとがきはなんと松岡正剛、って当然といえば当然か。2017/11/26
ゆうなぎ
9
買った当初はけっこう難しくて読めなかったのですが、天文知識を得た後に読んだら、これほど興味深い本はないなって思いました。今では僕の愛蔵書のひとつになってます。冒頭の著者のはしりがきにある「頭を挙げるだけで自然と眼に映る天の宝玉図を知らずじまいにすることは、人間の享け得るをむざと捨てることだ」という言葉はひじょうに感銘を受けました。改訂してあるとはいえ昔の人の文なので読みにくい部分もあるし、星に興味のない人には読みづらい部分もあると思いますが、星に興味のある人にはバイブルになり得る著書だと思います。2012/06/23
江口紀
7
「黄昏は慌しく来る」という一文で冬の寒さを表現し、星座の解説を追っていくと頭の中に自然と「画」が出来上がるという寸法の素敵な星座案内。学術書にありがちな仲間内だけに通じるように書かれたものじゃなくて、一般人が空を見上げたときに、嗚呼、と溜息をついてしまう、そういう気持ちと同じトーンで書かれているので、星が好きになること請け合い。2010/01/06
Saku
6
野尻抱影のうっとりするくらい綺麗な文章で星を巡る旅に出る。 晴れた夜には空を見上げようと思う。 2014/06/22