内容説明
せつな―。総司は腰をひねった。なま温かいものが総司の顔面を斜にたたいてよぎった。…文久二年春。総司は初めて人を斬った。その断末魔を嫌と言うほど見る運命が待っているとは、知る由もなく―。剣に生き、斬り、散華した、新選組一番隊隊長沖田総司。天才剣士の爽やかにして凄惨な生涯を描く。
著者等紹介
戸部新十郎[トベシンジュウロウ]
1926年(大正15年)、石川県七尾市生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。北国新聞社の記者を経て、文筆活動に入る。日本文芸家協会会員、新鷹会会員
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感想・レビュー
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tsubomi
3
2022.04.15-05.10:新選組の沖田総司が主人公。試衛館道場時代から最後に猫を追いかける場面まで、沖田総司のキャラクターを活かした淡々とした筆致の物語。仇討ちをされる運命の浪人とその娘が江戸から京都にいたるまで絡んできて、新選組でのできごととは並行して描かれるのが他の小説と違う点。剣で人を殺すことについて考えさせられました。政治的な話をほとんどしないためかえって総司と関われた人たちも多いという感じで、山南敬助とのやり取りは大河ドラマにちょっと近い雰囲気。剣の時代の終わりに輝いた一輪の花ですね。2022/05/10
司
0
父が持っていたので初読は小学生高学年の頃。 久々に読み返したくなりました。近藤、土方の印象が薄い・・・2024/03/24




