内容説明
ロロ文字、水文字、西夏文字、女真文字、契丹文字…。漢字文化圏の珍しい文字をとりあげ、謎を解き明かすプロセスを紹介。実際に使われた文字の図版を多数収録し、文字解読の面白さをまざまざと再現する好著。
目次
第1章 未解読文字への挑戦
第2章 ロロ文字のはなし
第3章 水文字暦の解読
第4章 西夏文字の組織と使い方
第5章 女真文字の成立と発展
第6章 契丹文字解読の新展開
第7章 漢字―東アジアの世界文字
著者等紹介
西田龍雄[ニシダタツオ]
1928年大阪市生まれ。51年京都大学文学部言語学科卒、56年京都大学大学院修了。専攻は言語学・東洋言語学。現在は京都大学名誉教授、文部省学術情報センター名誉教授。現在残る唯一の象形文字、トンパ文字の権威としても知られる
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感想・レビュー
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富士さん
4
初めて読んだときはエキゾチズムに誘われただけでしたが、体系的に精読すると興味深い本でした。まず、漢字文化圏下の東アジアでは、漢字準拠の文字で独立語を写すのと、膠着語を写すのでは質的な違いがあり、日本語や韓国語のように漢字をそのまま採用せずに、独自の漢字と仮名を作った契丹語や女真語には日本のあり得た文字選択の可能性を見ることができるように思います。また、最後の古代文字に漢字を置き、大量の語彙を持つように見える中国語も使われているものは一部であって、それ以外は古代文字である、との喝破には度肝を抜かれました。2018/05/03
koz kata
2
契丹文字の章がとにかく難しくて読むのに時間がかかった。途中まで漢字を借りていたけれど話し言葉(タイ語ビルマ語アルタイ語チベット語系列で文法と漢字がかみ合っていなかった)との齟齬がでてきたから自前の文字を作ります!と言うわけで創られた文字達が漢字の様で絶対に漢字ではない為、図版を見ていてちょっと酔った。 創作された文字のうちまだ使われているものもあれば完全な死語になったものもあります。死語を研究してどうするんだという意見もありますが祖語の解析に役立つそうで今後自動翻訳にも生かされてくると思います。2018/05/31
へくとぱすかる
2
再読。この本が出てから10年の間に、アジアの文字解読はどこまで進んだのだろうか。西夏文字を解読した学者として、西田龍雄の名前はこれからも不滅である。2013/09/09
いちはじめ
1
読み応えあり。……というか、この本の内容を「解読」するのに難儀しました。2002/12/05
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