内容説明
ワールドカップ史上に燦然と輝く一九七四年大会のオランダ代表チーム。その驚異のオレンジ軍団を率いた伝説のスーパースターが語る、トータルフットボールの真実。選手、監督時代の自身の体験はもちろんのこと、ワールドカップへの提言、日本サッカーへの思いなどが収録されたサッカーファン必読の書。
目次
第1章 「トータルフットボール」の起源
第2章 オランダ代表 74年ワールドカップ
第3章 路地裏の伝説
第4章 アムステルダムからバルセロナへ
第5章 現役選手から監督へ
第6章 「神様」が作り上げたチーム
第7章 最後の日々
第8章 スペクタクルでなければ、フットボールではない
第9章 日本フットボールへの関心
第10章 いかにフットボールを改善するか
エピローグ フットボールに捧げた人生
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
129
スアレスの自伝に引き続いて、ヨハン・クライフの最近までの彼の軌跡をつづった本です。クライフといっても今の人はほとんど知らないでしょうが、私の世代ではサッカーの天才といわれた人物です。70年代オランダ代表の選手としてまたバルサの選手としてかなり名をはせました。やはりスアレスと同様にものすごくエゴが強いですね。90年代にはバルサを監督としてドリームチームとしました。戦術的なところも書いてあります。サッカー史上では路地裏フットボールの世代でありジーコたちと並んでかなりな大物だと思います。2016/10/10
kaizen@名古屋de朝活読書会
110
2010年にテレビでクライフの特別番組がありました。 それまで南米のフットボーラにしか興味がなかったのに, ヨーロッパにも面白い選手がいたことを知りました。 南米と欧州の2つの文化が競い合う,そこにアジアの文化が切り込む余地があるかを考えるのに役立つ。 日本に関する記述あり。 フットボール(サッカー)をしている多くの子供たちに読んで欲しい。2014/05/07
こきよ
53
神と崇め奉られた、ペレやマラドーナ。持前の政治力を、遺憾無く発揮して組織のトップに立ったベッケンバウアーやプラティニ。その何方にも、あてはまらないクライフ。彼はピッチ上の体現者として、あるいはオーガナイザーとして、常に現場にこそ活躍の場を見出している、唯一のカリスマなのかもしれない。2014/07/03
mazda
38
オランダは強豪というイメージがあるが、それはクライフから始まっていたということを改めて知ることができた。オランダの強さは、トップチームが4-4-3だったら、ユースから何から4-4-3でやることだ、というコラムを読んだことがあるが、それもクライフの頃からのものらしい。当時リーグのレベルが必ずしも高くはなかったスペインのサッカーを、強く美しいものに変えてしまったのも彼だし。単なるサッカー選手だけではなく、マネージメントのすごさも秀でていることがよくわかる1冊です。2014/05/17
さわたり
7
第10章のクラブ経営、サッカー協会への批判にとても共感します。サッカーを知る本としては正直いまいちな印象。クライフの選手時代、指導者になってからも、絶対に譲れない一線を守ったことにプロフッショナルを見ました。また、人格者でもあったけれど、成功者の常としてワンマンで非常な一面もあった。サッカーというより、ビジネスの面で参考になると思います。2014/06/08