内容説明
エル・グレーコ、ベラスケス、ゴヤ、ガウディー、ピカソ、ミロ―偉大な美術の天才たちを生み出した地、プラド、そしてバルセロナ。聖なるものと俗なるものとが、葛藤しつつ共存しているかのようなドラマティックなスペイン美術の魅力を、スペイン美術研究の第一人者が、自らの内的体験をもとに描きだす。
目次
プラドで見た夢―はじめに
天上的狂気―エル・グレーコ
パレットと十字章―ベラスケス
スペインの魂―ゴヤ
世紀末バルセローナ―ガウディー
イベリア的愛と破壊―ピカソ
スペインの逆説―ミロー
バルセローナの光―おわりに
著者等紹介
神吉敬三[カンキケイゾウ]
1932年、山口県に生まれる。1956年、上智大学経済学部卒業。1956年から59年、スペイン政府給費留学生としてスペイン国立マドリード大学に留学。1970年、スペインの文化勲章である「賢王アルフォンソ十世章」受章、スペイン王立サン・フェルナンド美術アカデミー客員、上智大学名誉教授。スペイン美術史専攻。1996年没
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感想・レビュー
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P-man
4
日本においてスペイン美術を伝えた嚆矢である、神吉敬三氏がエル・グレコ、ベラスケス、ゴヤ、ガウディ、ピカソ、ミロを語り口に『スペイン美術』をまとめた一冊。1980年刊行のものの文庫化。地理・歴史・文化・人間の性質に至るまでを、スペイン的な思考を駆使して論じており、まあ、つまり、なんというか、けっこう難しい(笑) 内容がものすごく濃いので読むのに時間がかかったが、そのぶん充実した読書ができた。とはいえすべて理解しきれたとは到底思わないので、また自分のスペイン美術知識が深まった時にでも再読しよう。2019/10/10
Nemo
4
スペイン旅行前に読み、後にも再読しました。ぼんやりとした輪郭が、本を読むことによって知識としてはっきり知れるのがとても心地よかったです。スペインの歴史、民族性などへの言及が個人的に興味深かったです。2018/03/17
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