内容説明
世界を飛び回って食の探訪をする著者が各地で出あったパンとワインにまつわるエピソードを語るおいしい文化論。「ケンブリッジのコブ・ロウフ」「ニューヨーカーのベーグル」「ヴィラデスト・ワインの出来」など、パンとワインにはその土地の文化や歴史や生活のまるごとが紛れ込んでいる。
目次
1 パンにまつわるおいしいエッセイ(ケンブリッジのコブ・ロウフ;ミスター・リーズのジャガイモ・サンド ほか)
2 ヨーロッパ食紀行(英国式朝食;森の国の永遠の美味 ほか)
3 玉村式おいしい食卓(夏と冬の朝食;網焼きトーストと森のイチゴ ほか)
4 パンとワインとおしゃべりと(朝の貞節;日本シエスタ党 ほか)
著者等紹介
玉村豊男[タマムラトヨオ]
1945年、東京に生まれる。パリ大学言語学研究所に留学後、1971年、東京大学仏文科を卒業。通訳、翻訳業を経て、文筆業に。8年間の軽井沢生活の後、1991年から長野県小県郡東部町に在住。エッセイストとして活動するかたわら、絵を描き、また西洋野菜、ワイン用ブドウなどを栽培するヴィラデスト農園を営む。TaKaRa酒生活文化研究所長
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感想・レビュー
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ミカママ
484
玉村さんの、食に対する探究心とセンスのよさがギュッと詰まった一冊。世界にはこれほど多種類のパンがあるものか。フランスでは、パンとチーズ、そしてワインがあればそれだけで立派な夕飯になるという。当方、現在ワケあってパン食は控えているが、いつの日か体重も体型も気にしなくてよい日々が来たら(それはそれで悲しいが)、美味しいパンを、腹のはち切れるまで食してみたいものである。2021/06/25
ヴェネツィア
266
食にまつわる実に軽やかなエッセイ。透明な泡が弾けるような趣き。シャンパンほどに高級に構えるのではなく、もっと自然体で、日常的にスパークリングワインを楽しむような感覚だ。登場するメニューも、シンプルなものが多い。パンとワインとチーズさえあれば、もうそれだけでフランス料理としては十分と語る。ワインもロマネ・コンティが、などとは言わない。日常的に楽しめばいいというスタイル。もっとも、バルカヴェイリャなどという聞いたこともない幻のワインも登場するが。この人はスキップでもするように、何でも楽しめる実に羨ましい人だ。2015/05/13
のんぴ
37
食への好奇心とこだわりと行動力にあふれた魅力的な著者さん。留学していた若い時のみならず、経済力をつけて高級ホテルに泊まれるようになっても、嗅覚を頼りに裏通りに入り、言葉が分からない国でも現地のグルメを探し出す。ついに軽井沢にブドウ畑を持ちワイナリーを作ってしまうとは。ぜひ訪れてみたい。著者のオンラインサイトでもワインやおいしい料理を買えるみたい。チーズ味のシュー皮グージェールはピカール冷凍食品にもあった。いろいろ買いたい。まずは落ち着け、自分。2021/07/03
ikedama99
9
古本屋さんで発掘・・した本。この方のエッセイとの付き合いは長いなと改めて思う。楽しく読めるし、大人の楽しみを感じる。ワインはほとんど飲まないが、飲んでみたいと思わせてくれる。食べ物、飲み物の話の話の中に、時々かわった話もある。「日本シエスタ党」の話、賛成したいな。2020/04/20
霜月
8
フランスの三種の神器、パンとワインとチーズの話。知らない名前のパンがたくさん出てきて、その都度ググって写真を見ては食べたくなった。ハイジに出てくる、大ぶりのチーズがパンに乗っかっているやつを思い出した。2014/10/07