内容説明
昭和九年に首相就任。十一年の二・二六事件で奇蹟的に生き残り、第二次大戦の戦局悪化の際には、反東条運動の中心となって活躍し、終戦工作に尽力した元首相が忌憚なく語る昭和政治秘史の決定版。
目次
明治の少年
成長期の海軍
陸軍の野望たかまる
波乱の軍縮会議
五・一五事件と政党
組閣難航の前後
危機をはらむ時期
二・二六事件の突発
日本のわかれ道
東条とのたたかい〔ほか〕
著者等紹介
岡田啓介[オカダケイスケ]
1868‐1952。慶応4年、福井県に生まれる。海軍兵学校、次いで海軍大学校を卒業。海軍の要職を歴任して大正13年、海軍大将となり、昭和2年に田中義一内閣の海相に就任。同9年、斎藤実内閣のあとをついで首相となる。11年の二・二六事件では首相官邸を襲われ、九死に一生を得た。第二次大戦の戦局悪化に伴い、反東条運動の中心人物としてその退陣に尽力し、終戦工作に従事した。27年10月死去、享年八十四
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感想・レビュー
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Yasuhisa Ogura
1
岡田啓介海軍大将は、2・26事件時の首相、また重臣として戦前の政治の表にも裏にも携わった人物。本書から受ける印象は、誠実でかなり庶民的、常識的で合理的な判断ができる人物。日本が軍国主義に傾いていく過程を当事者が語る内容は、非常に興味深い。特に2・26事件の記述は、当事者だけに迫真に満ちている。また、彼が、暗殺を逃れたことが、その後の日本の進路に大きく影響したことが非常に良く理解できた。他の文献と併せて読むことにより、近代史を立体的に理解できる必読文献ではないだろうか。2012/06/22
Mas Okada
0
私と同じ名字の総理大臣は今のところこの人だけ。だからこの本を読んだというわけではなく、昭和史を知ろうとする中では、読んでおいた方がよいかなと思い古本で購入。基本はおじいさんの回顧録、というレベルではあるが、2・26事件のくだりは、さすがに興味深かった。2016/09/17
大典太
0
「聯合艦隊司令長官時代の思い出は特に無し、それだけ日本も平和な時代だった」というようなことが書いてあったのが印象に残りました。そうですよね。聯合艦隊司令長官が戦ばっかりしてる時代なんてろくな時代じゃないよな~
takan0ri0
0
戦前の首相、海軍大臣の岡田啓介の戦後の回顧録。実際はどうあれ、文面からは親しみやすく、真面目ながらも愛嬌のある老政治家の姿が浮かび上がる。2・26以後の政治にも陰ながら影響力を発揮し、戦争終結に力を尽くした、もののわかる海軍大将といった印象を受けた。2011/10/11
フルボッコス代官
0
やっぱみんな226事件のところを読むわな。よくわかる。あの臨場感は当人しかわからんからな。襲撃で生きていたのは岡田首相と鈴木侍従長と牧野伸顕だけやからな。鈴木貫太郎なんか終戦時にも襲撃されてるからな。鳩杖を賜与されたくだりは面白かった。2018/04/11
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