内容説明
社会主義と国家主義を架橋しようとする試みは、原理的にはたして可能なのか。青年将校らに強烈な影響を与え、二・二六事件の黒幕と目された北一輝が、争乱のただなかで著した日本人の手になる唯一の辛亥革命体験記。
目次
孫逸仙の米国的理想は革命党の理想にあらず
革命を啓発せる日本思想
革命党の覚醒時代
革命運動の概観
革命渦中の批評
南京政府設立の真相
南京政府崩壊の経過
投降将軍袁世凱
英公使の買〓袁世凱
対日警戒のための北京中心
亡国借款の執達吏
財政革命と中世的代官政治
支那の機器と天人許さざる第二革命
君主制と共和制の本義
東洋的共和制とは何ぞや
武断的統一と日英戦争
露支戦争と日本の領土拡張
日支同盟と日米経済同盟
著者等紹介
北一輝[キタイッキ]
1883‐1937。佐渡に生まれる。早稲田大学の聴講生として上京、明治39年『国体論及び純正社会主義』を自費出版するが発禁。宮崎滔天の紹介で中国同盟会に加入。辛亥革命が起きると中国に渡り、帰国後『支那革命外史』を著す。その後再び中国に渡るが、五・四運動に直面して、『国家改造案原理大綱』(のち『日本改造法案大綱』と改題)を執筆。西田税らを通じて皇道派青年将校に深い影響を与え、二・二六事件では黒幕と見なされ銃殺刑に処された
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