内容説明
延命を至上目的にしてきた医療のあり方に対する疑問―死は敗北なのか…死の問題、終末期医療へ取り組み続けた著者が語る、生きること、そして死ぬことの意味。人生を百パーセント生きるとはどういうことか、死後の生とは何か―著者の生い立ち、体験、実践から語られるメッセージ。
目次
死ほど大事なことはない(マイダネク;象徴言語 ほか)
繭と蝶(四つの部分;五つの自然な感情 ほか)
生、死、死後の生(シュワルツ夫人;死ぬときはひとりではない ほか)
現代における癒し(全身が麻痺した女性;病院の清掃係 ほか)
それに対して「イエス」と言うこと(聖金曜日;自殺は自由な選択の範囲にはない ほか)
著者等紹介
キュブラー・ロス,エリザベス[キュブラーロス,エリザベス][Kubler‐Ross,Elisabeth]
精神科医。1926年、スイスのチューリッヒに生まれる。チューリッヒ大学に学び、1957年学位を取得。その後、渡米して、ニューヨークのマンハッタン州立病院、コロラド大学病院などをへて、1965年、シカゴ大学ビリングズ病院で「死とその過程」に関するセミナーを始める。1969年に『死ぬ瞬間』を出版して国際的に有名になる
鈴木晶[スズキショウ]
1952年東京生まれ。東京大学文学部ロシア文学科卒業、同大学院人文科学研究科博士課程満期修了。現在、法政大学国際文化学部教授。専攻は文学批評、精神分析学、舞踊史
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いちねんせい
33
友人から譲り受けた本のうちの一冊を何気なく手にとったら、死の受容五段階モデルを提唱したキューブラー・ロスの本であった!母親の状況も踏まえ、今読むべくして出会った本という気がした。こんな昔からこんな研究をしていた人がいたのかと衝撃的だった。まずは自分を愛すること。『死ぬ瞬間』も読んでみようと思う。2019/12/09
人間
13
『人生は廻る輪のように』と重複が多いけど、これは講演の書き起こしなのでまた一風違った臨場感がある。特に何が良いかというと、著者の、聴衆を惹きつける力である。ジョークが面白すぎる。本で笑えるのはなかなか無い。私の心に刺さったエピソードは、ガンの子供の健康な弟のことだ。この子は両親に必要以上のケアを受けられなかった。私自身はヤングケアラー経験者だけど、障害者になった母に家庭の全勢力はそそがれ、私は生きるに足ること以外放置されて育ったので、いろんな感情が蘇った。自分が癒えてなければ他の誰をも癒すことはできない。2022/01/17
ジョニジョニ
12
怪しげなスピリチュアル本かなーと思ったけど、信頼の中公文庫なので読んでみたら、いやいやとても影響されました。「自分自身のやり残した仕事を片付けなさい」という言葉を、知識としてではなく、直接僕に言われたことだと考えたら、いてもたってもいられなくなって、子供の頃にした非行を家族に謝罪する手紙を書きました。おこがましいけど、親鸞が阿弥陀如来の教えを「ひとえに親鸞一人がためなりけり」と言ったのはこういう感じだったのかな、と思い出しました。2019/01/14
Miko
10
最初は精神的に重い内容だった。 でもお母さんの話のところで自分の母親と重なり寝たきりになって数年も病床で生きながらえていたことの答えを知った。人に与え続けてた人は人から与えられる学習をしなければならなかったことを知り私も目から鱗だった。 黒いウサギの話は小さいときから親に甘えられず自分の気持ちに蓋をしてしまう怖さを知った。我慢したり気持ちに蓋をすることは褒められることではなく自分にとってとてもマイナス。 選択は自分。今ある状態は自分の選択の結果。愛し愛されることが人生では重要なんだと改めて感じた。2019/04/01
buchi
8
かつて医学博士だった著者のキューブラー・ロスの「死」についての講演会の内容を纏めた本。ちょっと分かりづらい箇所や共感出来ない箇所もあった。が、死は人間にとって最後ではなくて「大切な区切りのひとつ」というのは同感である。終末期医療の先駆者で末期患者やその家族を勇気づけて来た人だが、自身の最期には葛藤があったようだ。K・ロス最大の悲劇は自身の死に際にK・ロスがいなかったことである。しかしながら最後は子供と孫に囲まれて穏やかに次のステージに向かわれたとのこと。あちこちの銀河でダンスを楽しんでいるはずである。 2020/07/05
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