内容説明
とんでもなく強か、この上なく軽薄―人を指に巻くといわれた王妃マリー・アントワネット。オーストリアで愛された大公女時代から断頭台での最期まで、革命のさなかに散った“悲劇の王妃”の華麗な足跡をヨーロッパ各地にたどり、その真実の姿を浮き彫りにする長篇歴史エッセイ。カラー図版50点収録。
目次
第1章 愛された大公女―宮殿シェーンブルン
第2章 華燭の宴―御庭御殿ベルヴェデーレ
第3章 王妃の凋落―王宮ヴェルサイユ
第4章 陰謀と奸計―旧王宮チュイルリー
第5章 終焉の地―監獄コンシエルジュリー
著者等紹介
藤本ひとみ[フジモトヒトミ]
長野県生まれ。十二年間の公務員生活を経て作家となる。西洋史への深い造詣と綿密な取材に基づく歴史小説に定評がある。フランス革命期を主題に据え秘められた歴史に光をあてる作品群や、近世ヨーロッパを舞台にした犯罪心理小説などで活躍。フランス政府観光局名誉委員、アカデミー・ドゥ・カスレ名誉会員、フランス・ナポレオン史研究会会員
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
フェリシティ
23
今までは、ベルばらの影響で、「マリー・アントワネットと言えば悲劇の女王でしょう!あぁフェルゼンとの結ばれぬ恋!←」みたいなイメージしかなかったのですが、こうして読んでみると、同情しがたいというか、そりゃ国民にも嫌われるわ、という感じです。財政が緊迫してるのにあの浪費癖。売国行為。遺伝子のためなのか本人の性格なのか、なかなか凡人には理解しがたいぶっ飛び具合です。この本では「万年少女の王妃様」と辛口ですが、他の本も読んでみるとまた印象が違うのかなぁ。蛇足ですが、マリア・テレジアの少女時代が美しかった~笑2012/07/28
金吾
20
主観が強すぎるためか、今までに読んだマリー・アントワネットに関する本で、正誤は別として一番わかりやすかったです。大人になりきれず、地位も理解せず、しかも愚かでありながら策謀はする高慢な人だというのがよく伝わりました。王妃でありながら自国が不利になるように積極的に動いたらそりゃダメだろうと思いました。2021/12/13
coco.
17
フランス王妃マリー・アントワネットにスポットを当てたルポ記。題名からは、出自から始まり、最期までを看取る流れかと想像していたが、それとは一風異なる。本作は、近しい周囲の関係者や人間味ある細かい情報を用い、王妃の実像を外堀から埋めていく手法。女性作家なので、悲劇的に華麗に扱うのかと予想していたが、此方もハズレて、意外に王妃への同情は少なく、手厳しい。ハイエナのように王妃周囲に群がる取り巻きの貴族たちにも、筆が入るのが好印象だった。文庫本で携帯しやすく、カラー図版資料も盛り沢山なので、軽い読み物としてお勧め。2015/01/18
夏野
14
革命前夜のフランスって、今の日本とほんのり似てる気がします。物価は暴落、失業率は高く、飢饉で飢える民衆。そんな情勢を見て見ぬふりで科せられる重税。政治能力のない王様に、万年少女の王妃様。・・そりゃ革命も起きますわね。 ベルばらとは一味違う辛口な王妃様評ですが、図版もけっこう入っていて読みやすかったです。2012/06/26
Yuzupon
10
再読。ベルばら・宝塚あたりのイメージを持ったまま読んではいけない辛口解釈。義務をはたさず権利ばかり主張する万年少女アントワネットと、その周囲に集まった残念な人たちの、ロマンチックに欠けた生涯。約10年越しの再読。10代中盤の頃に読んだときはいまいちに感じたけれど、そこから10年経って知識と年を重ねたせいか、人として突き放すべき部分は徹底的に突き放した描写がいいと思えるようになった。個人的に、マリー・アントワネットは好きだけど、過剰に美化されがちだと思うので。2013/12/25




