出版社内容情報
俳聖芭蕉が風雅の新境地を開いた「みちのく」の旅の記録。旅路での出会い、数々の名句が生まれてゆく過程を、こまやかな情景描写とともに描きあげる。
内容説明
旅を愛し、旅の中に「風雅の誠」を追求してみずからの俳諧を高めようとした松尾芭蕉の「みちのく」の旅の記録。みちのく出身の漫画家矢口高雄が記憶の中の原風景をたどり、数々の名句が生まれる過程、旅路で芭蕉が得た人々との交流を、こまやかな情景描写とともに描き上げる。平成九年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞。
目次
1 夏草や…
2 春や来し…
3 ばせを植て…
4 よしなき山中に…
5 紅花半夏ひとつ咲き…
6 涼しさを…
7 閑かさや…
8 五月雨を…
9 雲の峰…
著者等紹介
矢口高雄[ヤグチタカオ]
本名・高橋高雄。1939年、秋田県平鹿郡増田町に生まれる。高校卒業後12年間勤務した銀行を辞め、30歳にして上京、漫画家として異例のスタートをきる。1974年『釣りキチ三平』『幻の怪蛇・バチヘビ』により第5回講談社出版文化賞児童まんが部門賞、76年『マタギ』により第5回日本漫画家協会賞大賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
森林・米・畑
38
釣りキチ三平の作者が描かれた力作。長い行程の奥の細道も特に重要な中尊寺から出羽の月山まで。当時の俳諧の説明や、なぜ奥州に旅に出たのかが分かりやすかった。作家さんが実際に足で取材をし、芭蕉が通ったであろう峠越えもし説得力もあった。東北が好きな私にとって、益々東北好きにさせてくれた。テレビなどの音声が無い時代、人の耳は研ぎ澄まされているからこそ、表現が豊かなんだなと思った。山形さ行きてー!2021/06/15
けいご
36
どれだけ大きな会社の社長になろうとも、どれだけ大きな豪邸に住もうとも、どんな高級車に乗ろうとも残念ながら歴史になかなか名前を刻む事は出来ないのに!俳諧で歴史に名を残すとはどう言う事〜?一つの文化を築き上げた事で日本が活性化したって事なのかな?武将や科学者じゃなくとも時代に名を残せるとは何たることかを含めて松尾芭蕉をもう少し深掘りしたくなりました★2021/11/17
T2y@
33
「奥の細道」から出羽路を軸に描かれる。秋田出身の矢口高雄が自ら熱望して描いたとの事で、出身地の奥羽山脈周辺の自然描写は情感が篭って、心なしか瑞々しく見える。また、謎の多い芭蕉の旅の模様も、土地勘のある矢口氏の「解説・推察」が中々に説得力がある。2019/10/23
Nao Funasoko
32
こういうのは大掴みでいいだろうと思い手にとったがもう少ししっかりと読みたくなった。というか、コレずっと前に読んでいたことに今さらながら気づいた。(笑)2019/08/10
どあら
23
図書館で借りて読了。昔の旅の大変さがよく判ります。有名な句が出来上がるまでの工程も分かりやすいですね(^^)2019/04/25