出版社内容情報
自由恋愛が禁じられた封建制下、打算もなく一途な愛を貫いた五人の女たち……。お夏と清十郎の密通など、事実に材をとった西鶴の代表作を華麗に描く。
内容説明
武家の法が庶民にも適用され、自由恋愛が禁じられた江戸時代。五人の女が貫いた打算のない愛の顛末を描く浮世草子の傑作。お夏と清十郎の密通、八百屋お七の付け火など、実話を題材にしながら、さまざまな趣向をこらした西鶴の代表作が、華麗なる筆致で現代に蘇る。平成九年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞。
著者等紹介
牧美也子[マキミヤコ]
神戸生まれ。1957年、単行本『母恋ワルツ』でデビュー。同年より、月刊少女誌「少女」「少女クラブ」「少女ブック」に掲載開始。67年に発売された人形「リカちゃん」は、当時の牧作品『マキの口笛』『りぼんのワルツ』『銀のかげろう』などのキャラクターからデザインされた。週刊少女誌、ジュニア誌を経て、68年頃から一般誌、週刊青年・女性誌へ執筆の場を移し、新聞、小説誌などの連載イラストや装丁も手がける。74年『緋紋の女』により第3回日本漫画家協会賞優秀賞、75年『星座の女』により第10回カナダモントリオール国際コミックコンテスト第1位、89年『源氏物語』により第34回小学館漫画賞を受賞。『恋人岬』は映画化、『熱愛』『悪女聖書』は連続テレビドラマ化された
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感想・レビュー
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活字の旅遊人
40
初読み。基本的に実話なのか? 不倫も命懸けだったというのは、恐ろしくも面白い。五人の女性それぞれの愛があった訳だが、貫く愛が共通項だな。五人の感想は、、、姫路のお夏は悲喜劇。薩摩のお万はハッピーエンド。江戸のお七は哀れだが、なんとなく現代的。大坂のおせんは、女同士の戦いの果て。京のおさんは、そんな裏切りを美談にしちゃうのかよ、と。もっとドロドロしているのかと思っていたがそうでもなく、小学校高学年くらいなら背伸びしてもいいかな、と感じた井原西鶴。マンガとしても、人物の区別もつけやすく、読みやすかった。2021/07/31
たまきら
21
牧美也子さんのゴージャスな絵とともに、様々な決まりごとに縛られる時代だからこそ、熱く燃える恋に身を投じた女性たち…。ひたむきな彼女らの姿がたくましくも悲しいお話です。生き残った者たちのその後がほんの少し登場するさいごが粋。2020/11/12
どあら
12
図書館で借りて読了。2018/12/23
aisu
8
「好色五人女」は、江戸時代に実際に起こった事件を題材に、西鶴が脚色した浮世草子。後書きによると「好色」は現代と意味が少し違い、一途な真の恋の意味。登場人物は皆一途過ぎて、歯車が狂っていく…。姫路の但馬屋お夏、江戸の八百屋お七、京の大経師屋おさん、大坂の樽屋おせん、薩摩の琉球屋お万の5人。2023/09/11
Aby
5
井原西鶴の筆による,5人の女性の愛.不義密通で死刑なのか…… 作画はレディースコミックの大御所,牧美也子先生.2023/04/12