内容説明
なぜ、芭蕉は「てにをは」が詩の死命を制すると教えたのか、なぜ、日本詩歌史には精密で体系的な「詩学」の伝統が欠けているのか―古代から現代にまで通じる興味ある問題のかずかずを、詩の日本語の問題として探求しつづける現代詩の実作者が、未来を創造する日本語の詩の特質と魅力を具体的に解明してゆく。
目次
言葉における「文明開化」―訳詩の歴史が語るもの
日本詩歌の「変化」好み―移ろう「色」が語るもの
反俗主義と「色離れ」―内触覚重視が語るもの
恋歌の「自己中心性」―「ひとり寝」の歌が語るもの
美意識の「正系」と「傍系」―誇張・戯画化が語るもの
やまとうたの「徳」と「呪力」―「てにをは」の働きが語るもの
洗練の極の「アニミズム」―『古今集』仮名序が語るもの
日本詩歌の「象徴主義」―「幽玄」の思想が語るもの
詩の「広がり」と「深み」―博識否定が語るもの
詩歌の「うたげ」と「孤心」―「歌合」の判詞が語るもの〔ほか〕
著者等紹介
大岡信[オオオカマコト]
1931(昭和6)年、静岡県に生れる。1953年、東京大学文学部卒業。詩人。読売新聞外報部記者、明治大学教授を経て、東京芸術大学客員教授。詩集に「記憶と現在」「悲歌と祝祷」「春 少女に」「地上楽園の午後」「火の遺言」「光のとりで」「捧げるうた 50篇」など、著書に「折々のうた」「連詩の愉しみ」「現代詩試論」「紀貫之」「岡倉天心」「うたげと孤心」「ヨーロッパで連詩を巻く」「窪田空穂論」「私の万葉集」(全5冊)「大岡信著作集」(全15巻)「日本の古典詩歌」(全6巻)など多数がある
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ToshihiroMM
ズボイミ半魚人