内容説明
「この子は味がわかるんだよ」「たをりは食べる名人だね」―祖父谷崎にもらった遺産“おいしいもの”を見分ける感覚。幼時からの和漢洋の味わい豊かな食の体験を、文豪の日常、谷崎家の食卓風景をまじえて楽しく描き出す美食エッセイ。
目次
第1章 食べる名人(おじいちゃん、おいしいね;たをりという名 ほか)
第2章 京と女(祇園のこと;京も好き、江戸も好き ほか)
第3章 谷崎のお気に入り(京都・たん熊;神戸でなければ ほか)
第4章 谷崎家の食卓(谷崎家の春夏秋冬;バーベキュー大会 ほか)
第5章 谷崎の死(新しい薬大好き;谷崎の最期 ほか)
著者等紹介
渡辺たをり[ワタナベタオリ]
1953年、京都生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒業。日本大学芸術学部大学院修士課程修了。修士論文は「『瘋癲老人日記』の製作過程を追って」。(株)紀伊国屋書店に勤務する傍ら、1980年に修士論文をもとにした『祖父・谷崎潤一郎』を、1985年に『花は桜、魚は鯛』を出版。1993年、雑誌『なごみ』に「京都メモリーズ」を連載
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感想・レビュー
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コノヒト
1
谷崎潤一郎の言葉遣いが思いのほか丁寧。子や孫、或いはペットの犬猫への命名のセンス。谷崎の日常を垣間見ることができておもしろい。著者の語る「祖父谷崎潤一郎の思い出」は食べ物のことばっかりやな、と思っていたら単行本発表時の副題は「―谷崎潤一郎の食と美」だった。然もありなん。2015/12/27
石橋
1
谷崎潤一郎の孫的存在だったたをりさんがひたすら谷崎と彼にまつわる食について書いた本。ソレ美味しそうだね…という感想しかない。しかし谷崎さんちの女性はみな聡明でかつ上流階級特有の空気読まない感があって、それが魅力であり嫌いではない。2015/11/03
Yanagi
1
食べ物と谷崎さんが大好きだけど、この本両、方書いたのに、全然面白くもなんにもない。子孫が書いた思い出は大体そうだ。2014/04/21