内容説明
厨房という名の戦場に、身ひとつでとびこんだあの頃―道場六三郎、井上旭、片岡護ほか、いまや日本を代表する和食・フレンチ・イタリアン・中華・すしの名料理人十三人にきく、厳しくも清々しい修業時代。
目次
高橋徳男アピシウス―調理場での盗み酒、シャトー・マルゴーならぬ豚の血とは。
道場六三郎銀座ろくさん亭―伝統がなんだ、セオリーがなんだ。食材がのぞむとおりに成仏させてやるのが一番。
堀田貞幸京都ホテル―差別ニモ負ケズ、いじめニモ負ケズ。世界一のマキシムで、ソーシエの座をつかむまで。
礒本忠義大津プリンスホテル―一五の春に勘当を受け、包丁に刻んだ「忍」の一文字。
吉川敏明カピトリーノ―日本有数のイタリア料理人が、しかたなく料理人になった理由。
中西彬古泉閣―五味、五色、五法。日本料理の奥深さにめざめて、名人の道へ。
井上旭シェ・イノ―極めつきの味を記憶する、それが滞欧六年の修業の成果。
片岡護アルポルト―包丁ひとつ握れない男が、ミラノ領事館おかかえコックに。総領事夫妻の運命やいかに?
中村勝宏ホテルエドモント―星なしのレストランを八ヵ月で星付きにした、日本人シェフの孤軍奮闘。
佐藤富勝目黒雅叙園―「佐藤の下に弱卒なし」ピンチにあって頼りになる男の人心収攬術とは。
高橋金男駿河亭―ソースの神様・トロワグロから「日本人で最高の料理人」と呼ばれた男が見た悪夢。
新津武昭きよ田―すしのきらいな男が、己のカンだけを頼りに超一流のすし屋になるまで。
小林幸司マリーエ―天才にして奇人、型破りの料理人ヴィッサーニの右腕となった男。