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出版社内容情報
「満州国を独立した国家に造り変えたい」という理想を追い、抗日聯軍の小隊を率いるウムボルト。日本人でも蒙古人でもない満州国人確立を目指す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Vakira
36
「満州国は五族協和が実現できた国」との理想を追い求めるウムボルト、抗日軍に身を投じる。しかしその実体は結局同士討ちの様。理想は空回り、思いを託すのはやっぱり日本人?この本の最初に満州国をめぐる人々紹介。石原莞爾、辻政信、甘粕正彦、川島芳子らの写真掲載。ウオ~実在の人物。安彦良和さん素晴らしい~2021/11/21
ころこ
29
主人公から五族協和に肯定的なセリフが発される。「虹色」の「トロツキー」とは、日本にとってのではなく、五族にとっての協和とコミュニズムの見果てぬ接近の、更に見果てぬロマンティシズムとして描いたのではないか(この先読んでいないので予測だが、多分トロツキーは登場しない)。いったい右派だか左派だか分からない、現在ののっぺりした単純な言論にはない奥行きを感じる。2022/10/08
Toshi
10
「機動戦士ガンダム」の作画監督、安彦良和さんによる昭和初期の満州国を舞台にしたドラマ。感想は8巻まで読了後に。2025/07/27
田中峰和
5
色仕掛けでウムボルトに迫る川島芳子。彼に拒否されるとボディガードの男たちに袋叩きにさせる。馬賊の一員として軍隊と戦うウムボルトだが、敵を殺害することに疑問を持ち続ける。そのうち、植芝盛平が彼を訪ねてきて、日本軍への協力を要請する。満州鉄道総裁の松岡洋右は、いかにも傲岸不遜の男として描かれ、安倍晋三の祖父岸信介が腰ぎんちゃくでびくびくしているのが面白い。リットン調査団の報告に反論し、国際連盟脱退する後の松岡を予測させる。2025/06/22
更紗蝦
4
白黒の印刷なのに、ウムボルトが辻権作教授の教練を思い出すシーンは、すごく眩しく感じました。安彦良和の漫画は、光と影の表現の仕方が本当に素晴らしいです。2013/01/04