内容説明
フロイスの滞日三十年の経験から生まれた、織豊期の優れた日本人論。第五巻は、後陽成帝の聚楽行幸、ヴァリニャーノや遣欧少年使節の謁見、坂東の平定など、全盛期の秀吉を描く。日本六十六カ国の絶対君主となった、秀吉の野望は、遂に朝鮮侵寇(文禄の役)に至る。毎日出版文化賞、菊池寛賞受賞。
目次
フランシスコ・ガルセスが、暴君(秀吉)に、その意図を思い留まらせ得るかどうか窺うために、贈物を携えて大坂に彼を訪れた次第
暴君関白が当1588年第5月に行なった祝典と偉業について
関白が坂東での戦争に勝利を収め、全日本六十六カ国の絶対君主となった次第
巡察師(ヴァリニャーノ)がインド副王ドン・ドゥアルテの関白に対する使命を帯びて長崎を出発し、都への旅路についた次第
巡察師の室における遅滞と逗留より生じた効果と利益について
巡察師(ヴァリニャーノ)が室を出発して大坂に上陸し、そこから都に向かった次第
関白殿に(インド副王からの)使命が伝達された次第、ならびに彼が巡察師とその同伴者一同に供した饗宴のこと
関白の宮殿(聚楽亭)とその結構、ならびに日本の建築物が我がヨーロッパのそれに優り、もしくは劣ることについて
関白が(副王)使節を帰らせるよう命ずるに決した次第、およびその時に彼が述べた幾つかのこと、ならびに(使節のことから)生じた利益について
関白が贈答品についてジョアン・ロドゥリーゲス修道士と語った諸事、および巡察師アレシャンドゥロ・ヴァリニャーノが関白の許へ齎した使命につき関白が抱いていた妄想を修道士が除去した次第〔ほか〕
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