内容説明
信長秀吉から庶民まで、西欧知識人が活写した戦国日本の政治と文化と生活―。第二巻は、信長のフロイス謁見、日乗上人とフロイスの論争、南蛮寺建立の顛末などキリシタン宗門の躍進を描く。フロイスの観察と描写は委曲を尽し、信任厚かった信長の人間像は躍如としている。毎日出版文化賞、菊池寛賞受賞。
目次
ルイス・フロイス師が都から追放され、教会と家屋が異教徒に接収された次第
堺で(日比屋)ディオゴ了珪の娘モニカに生じたこと、および彼女の母が娘の死に先立って改宗した次第
堺における事態の進展、ならびに同地からもたらされた成果について
堺でルイス・フロイス師がたずさわっていたもろもろの務め、ならびに同所で生じた他のことどもについて
司祭を都へ連れ戻すことに関して翌(15)68年にさらに生じたことについて
都地方の数名のキリシタンの所業と徳操について
三ケサンチョ(頼照)殿が、その三ケの教会において、一司祭、一修道士、ならびに数名の高貴なキリシタン兵士たちの前で、都地方の改宗に関して行なった説話のこと
(織田)信長の素性、およびその性格、権勢、富、ならびに彼が到達した顕位と公方様の復位について
信長がその統治の過程で行なった他のことどもについて
信長が、和田殿の好意により、ルイス・フロイス師を都へ呼び戻すべく命じた次第〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AR読書記録
6
信長登場! かなりイメージ通り。ってか現在のイメージのもとの一つがこれ? まあ信長公記なども読んで、また違う立場からの記述も勘案したいところだけれど。そして、少なくとも仏教を敵視し宣教師たちを厚遇したという点で、実像よりよく描かれている可能性はあるものな。とはいえ、和田惟政を褒め称えるのとは温度差があるのは確かで、お互い利用し合っているという認識はあったのかも、とも想像したりする。ところでカブラルの眼鏡姿を見に群衆が押しかけるシーン、イザベラ・バードを見に人が集まるシーンとほぼ一緒。日本人変わんねぇな。2019/02/21
rbyawa
2
g043、イエスズ会の修道士などの記録は何人か読んだことがあるのだけれども、相変わらず落ち着かない、というより1巻の時点で少し余裕が出てきていたものの、また状況が不安定になったのかヒスってるなぁ…。が、この巻に出てきたロレンソ修道士は良かったなぁ、続けてフロイスさんに語られると見劣りするようか気も。ロレンソさん(日本人でわりとご老人)がいたから織田信長の庇護が得られたらしいことはその後もぽちぽちと。意図的ではないんだろうけど、伝聞と自分の目で見たものがわかりにくく、記録としてはどこまで信用出来るのか微妙。2016/05/06
ひろ
1
★★★★☆。信長公記と並び、恐らく現代の「風雲児としての信長」のイメージを決定付けたであろう資料。太田牛一は信長に心酔する家臣、フロイスは100%キリシタン寄りで仏教徒・神道は悪魔呼ばわりという偏りはあるが、厳格で尊大、既存の権力を敬わず南蛮物に強い興味を示したという信長のキャラクターが事細かに描写されており大変興味深い。2021/01/19
godubdub
0
タイトル通り,信長とフロイスの話が中心となる。仏僧vsキリシタンも熾烈。日乗との対立など,ダイナミックな展開が多い。2015/12/17
namoken
0
登場する日本人が「賢明」とか「明晰」と描かれていると「あ、この人、キリシタンになるな」とすぐ分かる。まあ報告書だからな。2015/09/05