内容説明
食の歴史に目を通すと、古今東西、想像を絶する話に事欠かない。あまたの文献を渉猟した知の料理人がここに再現する、食にまつわる悦楽の人類史。
目次
いざ赴かん食道楽(ガストロノミア)のユートピアへ
帝王の宴と聖者の食卓
作法と禁忌と食養と
やむなき境遇のもとで
極限下でつなぐ命の糧
愛飲酩酊の果てに
グルメたちの歓び
食悦もたらす陰の主役
愛好された糧食
飲みもの万華境
食品・調味料アラカルト
藷と野菜と果実と菓子と
ガストロ殿下の話―天上天下唯腹独尊
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
彬
4
東西、といっても内容が豊富なのはギリシア・ローマ文化圏、それから中国、日本。あとは添え物程度。中東の話題も出てくるが、前者に比べれば控えめ。とはいえ時代の変化に影響を得る料理、昔の料理はいまと大分違う。王侯の料理、食事作法、酒、香辛料、菓子と語って、脇道では異文化交流や調理人の話、食材そのものの話と扱っている幅は広い。何かの資料として読むのでは期待はずれになりそうだが、知的好奇心を満たす読み物としてはおすすめ。いやあ、読んでいて想像するとよだれが……実際に現代に連なっているものもあるので、ぜひ食べたい2012/07/08
くろさわ
0
世界各国今昔の食糧事情がそこはかとなくわかるエピソードの集成。はじめから通読していくと中盤くらいから疲れるので、折に触れてつまみ食いするのが一番よさげ。面白い。2013/03/13