中公文庫<br> 喪なわれた岩壁―第2次RCCの青春群像

  • ポイントキャンペーン

中公文庫
喪なわれた岩壁―第2次RCCの青春群像

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 324p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122034396
  • NDC分類 916
  • Cコード C1195

内容説明

霧に閉ざされた雨山峠を越えて少年達は谷川岳をめざす―。戦後の荒廃の中で、戦時の傷痕を背負い満たされぬ思いを抱いていた彼らは、ここで一瞬の光芒を放ち、魔の岩壁を走り抜けた。登山界の伝統に風穴をあけた第二次RCCに加わるクライマー達の「不器用で一途で戦闘的な青春」を縦横に描いた力作。

目次

1 穂高滝谷・松濤岩
西丹沢・雨山峠
登攀者・日本山嶺倶楽部
反逆・バリエーションルート
我が山・チマエテルナ
北岳バットレス中央稜
コップ状岩壁・埋め込みボルト
一ノ倉沢・残照

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

つちのこ

3
1982年頃、旧版山渓ノンフィクションシリーズを購入し、読了。戦後の登攀界をリードした第2次RCCは、精鋭ぞろいのクライマー集団。彼らが開拓し初登攀した岩壁は今も難易度が高いバリエーションルートである。奥山章に続いた吉尾弘、芳野満彦、松本龍雄等の活躍は今もって不動のままでである。本書はそんな若者たちの青春群像を描いている。また、第2次RCCによって国内の岩登りのグレード体系が定義、整備されたことも大きな功績となっている。

たなかはん

2
子供の頃、よく山で遭難したり、近所の岩の滑落事故のニュースをよく聞いたけれど、最近そんなニュースをそれほど聞かなくなったのは、人口が減ったのか、冒険する人が減ったのか、ニュースにならなくなったのか。戦時中から戦後にかけて山に青春をかけた男たちの物語。YouTubeでエベレスト登山を配信する人まで出てきた昨今、隔世の感を感じながら読んだ。2021/07/31

Shungo Shimazu

2
岩を攀じることに人生の全てを賭けた男達の青春群像。みな一銭にもならぬ岩登りに命を賭けた。世間から外れ、多くは山で命を落としている。どこまでも熱く、崇高さすら感じる男達の生き様は何度読んでも飽きることが無い。2015/06/10

Yoshihiko Nakade

2
同じ著者が描いた3人のクライマーの前の世代の、前衛的なクライマーたちが生まれ、もがき、第二次RCCという前衛的な集団へと至るとともに、その終焉を迎えるまでを描いた一冊・・・熱くて、どうしようもなく切ない若者たちの姿がそこにあった。 集団の歴史を描いていながら、著者らしく登場人物それぞれの内面までが深く切り込んでおり、とても読み応えがあった。先日読んだ「ああ南壁」とは順序が逆になるのだが、それで良かったのだと思う。やっぱり山はいいなぁ。 2013/07/07

Mirunovic

1
再読。戦中の反動か、山へ没頭する姿や、生き残り歳を重ねて行く姿が、見事に描写されていると思います。いまの時代、若者は何に情熱を抱いているのか…なぜか考えにふけってしまいました。2018/02/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/38630
  • ご注意事項