内容説明
江戸の成り立ち、コレラの流行、元禄・安政の大地震など、江戸の町とその災害を語り、大正の大震災で灰燼に帰した名所旧跡のあとを刻明にたどって、江戸の歴史を振り返る。
目次
江戸の成るまで(生れるとから不運;家康の熟柿主義 ほか)
三日コロリ雑記(コロリの語源;大阪のコロリ ほか)
江戸から東京への地震ごよみ(慶安三年まで;元禄の大地震 ほか)
灰塵に帰した江戸名所(葭簀張りに返った銀座;下谷区で遺ったもの;二つの殉死 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
読書実践家
7
関東大震災で三越や日本橋も焼け、多くの被災者を生んだ。東京大空襲はさらに大きな死者を生み出した。数多くの事件や災害を乗り越え、それでも今なお発展を続ける江戸・東京。日本が生み出した、世界に燦然と輝く世界都市だ。2015/12/31
にゃん吉
2
最終巻。関東大震災直後の都内各所を見分した記録が中心です。そこに、かつて何があり、震災で崩れ、焼けたか、どれだけの犠牲者が出たか、被災者が今どうしているかといった事実を積み上げていくような叙述から、著者の、被災者への哀悼、失われてしまった江戸の面影への哀惜の情が滲み出ています。写真も多く挿入されていて、震災(火災)の苛烈さがよく分かる。震災の前後で、東京は一変したという言葉の意味もよく分かる。 2019/03/28