内容説明
ルーム・クリーナー、電話相談、興信所。トラブルメイカーのフリーター・葉村晶と娘に借りたピンクの子供用自転車で現場に駆けつける小林警部補。二人が巻き込まれたハードボイルドで悲しい八つの事件とは。間抜けだが悪気のない隣人たちがひき起こす騒動はいつも危険すぎる。
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ミスランディア本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐々陽太朗(K.Tsubota)
242
不運な女探偵・葉村晶と警部補・小林舜太郎を主人公とした8篇の短編小説集。TVドラマ化され、話題となっている葉村晶が初めて登場した小説集である。初登場といえば、別に「御子柴くんシリーズ」となっている御子柴刑事も本書に登場している。ということは若竹七海さんの人気シリーズのうち二つがここから始まっているのだ。その意味で若竹さんを読むなら決して外せない一冊といえる。これで葉村晶シリーズのうち二冊(『依頼人は死んだ』と本書)を読んだことになる。残りの五冊と『暗い越流』を買い置いている。少しずつ楽しみながら読みます。2020/01/19
hitomi.s
224
好きな作家さん、若竹さんの本。 短編で展開が早いはずなのに、気持ちいいくらい『思ってたのと違うラスト』。お見事でした。 ピンクの子ども用自転車。気になって仕方ない!2017/09/04
nobby
179
これ好きなやつだ(笑)トラブルに慕われるフリーター葉村晶、その平常はクールで達観的な女性像と、熱くなると止まらずのめり込む様が対比され魅力的。片や小林警部補は、ピンクの子供用セーラームーン自転車に乗るぼさぼさ頭の愛嬌のある男。こちら目線の交互の短編では犯人目線の語りで始まる倒叙ミステリーを楽しめる。事件に関わる面々は、揃って皆いけ好かない人物ばかりだが、何となく気になりばら撒かれた伏線が後半絶妙に繋がっていくのが心地よい。最終編で重なり合う二人だが、その展開はなかなか重くせつない…そして間違いなく続編へ♪2017/11/06
ちょろこ
162
曇天のイメージの一冊。初、葉村晶シリーズ。これが噂の…!しかも短編集で、葉村晶、小林警部補のミックス盛り。なんだかお得感いっぱい。先に味わった葉崎市シリーズは何となく太陽のイメージだとすればこちらは静かな曇天のイメージ。曇天の中で味わう苦味、毒もなかなかのものだ。どれも決してスカッとしない、太陽の光が差すかのような気配もない、こういうのも好きだわ。小林警部補の自転車が唯一の笑いと明るさかな。自転車こぎこぎ、ナマで見たい。葉村晶の人となりが徐々にわかっていくようなこの過程も良かった。次は長編で会えるのかな。2021/08/15
ぷう蔵
161
この飄々とした、淡々とした書きっぷりが逆にワクワク感、ゾクゾク感を増させている。葉村など定番登場人物それぞれの人物像も着々と完成されつつある。これが葉村シリーズの根源というところか。それにしても若竹氏、不運な女探偵にという設定はなかなか面白い設定をしたものだ。どうしてここに至ったか?短編集ということもあり、あっという間の読了、小気味好く楽しめた。それにしても、どの作品の最後にもしてゼリフのような意味深な言葉があり、背中がゾモゾモッと、ひんやーりっと。それがクセになりますね。2017/03/30
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