内容説明
未発表の恋文七百余通をもとに描く、新しい柳原白蓮像。華族に生れ、炭鉱王に再嫁し、大正の世に「白蓮事件」と騒がれながらも、ひとすじに貫いた恋の物語。柴田錬三郎賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiro
125
林真理子さん初読み。オリコンの週間文庫ランキングに『白蓮れんれん』が2冊(集英社、中公)入っているのに気がついた。そしてこの本がどんな本かと興味を持ち、初めて柳原白蓮のことを知った。非常に興味深い女性だったので、700通以上の実際恋文をもとにしたこの伝記小説を読みたくなった。小説のなかでは、妾、女中などの言葉が溢れ、この時代の上流階級の人達の複雑な家庭環境のなかでの暮らし、考えが良くわかった。寂聴さんの解説で‘恋の勝利者’白蓮と龍介の老後を垣間見ることができたが、白蓮事件の後の二人についても読みたかった。2014/09/05
優希
92
柴田錬三郎賞受賞作。柳原白蓮の恋が激しく描かれていました。炭鉱王に金で買われるように結婚。その後本気で愛する男性と出会う。これは運命としか言えないでしょう。夫ある身での恋愛は悲劇になりそうなのが、幸せをつかむ方向に描いているのが印象的でした。白蓮事件として世間を騒がせながらも、一筋に愛を貫く姿にひきこまれます。2018/01/06
ヒデミン@もも
60
長い間読みたかったが中々手が出なかった。朝ドラに出てくる白蓮があまりにも魅力的で 図書館に予約。読んで良かった。この本との出会いに感謝。 林真理子さん、さすが。女性の心理がわかりすぎていて恐ろしい。500通に及ぶ書簡と多数の参考文献から生まれたこの物語。まるで映画を観ているように惹きつけられた。2014/08/25
ゆか
53
不倫は姦通罪という罪にとわれた時代。しかも夫はその地での権力者で、自分は華族で歌人で有名人。今の芸能人みたいな扱いをうけていた彼女のセンセーショナルな駆け落ち事件が題材。結婚相手の伊藤氏の心情も思うところがあり、燁子側の立場でのみ読み進める事はなかったけど、駆け落ち相手の龍介の愛情表現の数々に、女性ならそうなっちゃうよね〜とは思えます。その選択はきっと正しく、晩年はお幸せそうでよかった。ただ、夫であった伊藤氏の晩年が気にかかります。2015/09/24
チヒロール
49
花子とアンが朝ドラなら、蓮子さんのお話は昼ドラですね。蓮さま、龍さまの恋文や、京都での逢引、絶縁状を送りつけての逃亡など、現代顔負けの激しさに倒れそうになりました~_~;朝ドラでは描かれてないことも沢山ありますね。歌人仲間や女中の恋愛、伝右衛門の女性関係もすごい…。なかなか読み応えがありました。2014/09/11
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